署長の一声で何でも決まる社会【元警察官が解説】
民間企業でも社長は絶対的存在であることがほとんどだと思いますが、警察署においても署長の存在は絶対的です。署内では、基本的に誰も反論できませんし、しません。
ある警察署に赴任しました。その署の交番勤務員で、電車に飛び込もうとした女性をホーム下の避難エリアに押し込み、自らは電車に接触して殉職した警察官がいました。(詳細はこちら)私が赴任する十数年前の出来事です。事件当時は、多くの人から感謝の声が寄せられ、あるミュージシャンからは、その警察官に贈る歌が作られ、その曲はその警察署の定時退庁時間に毎日署内放送で流されていました。明るくかわいらしい曲で、とても気に入っていたのですが、ある日から突然流れなくなりました。このような場合、考えられることは一つしかありません。署長が「この曲、もういいだろ。明日からやめろ。」と言ったとしか考えられません。こうして、殉職した警察官の記憶も、それに感動して歌を作ってくれたミュージシャンの思いも、署員の気持ちの中から薄れていったことは間違いありません。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
