警察官の定年【元警察官が解説】

「警察官の定年は何歳なのか?」
「警視庁の警察官は定年後どうなるのか?」
「退職後も警察官として働き続けられるのか?」

一般の会社員とは異なり、警察官の定年制度や再任用制度には独特の仕組みがあります。元警察官の立場から、警視庁における警察官の定年延長、再就職、階級の扱いについてわかりやすく解説します。

警察官の定年は60歳から65歳へ段階的に延長

長らく警察官の定年は60歳でした。正確には、60歳に達した後の最初の3月31日をもって退職する仕組みです。

しかし現在、地方公務員の定年延長制度の導入により、警視庁でも段階的に定年年齢が引き上げられており、2031年には65歳定年となる予定です。

そのため、「警察官は60歳で必ず退職」という時代ではなくなりました。

60歳以降も警察官として働ける?給与はどうなる?

60歳を迎えた時点で、警察官は定年退職を選ぶことも、勤務を継続することもできます。

現職のまま残ることを希望した場合、警部補以下の警察官であれば、基本的に現在の階級を維持したまま勤務継続が可能です。

ただし、給与は従来の約7割程度に減額されます。

これは民間企業の再雇用制度に近い仕組みですが、警察官の場合は引き続き警察官としての身分を保持したまま勤務する点が特徴です。

定年退職した警察官の再就職先は?

定年退職を選択した場合、再就職先を選ぶことになります。

警察組織内に残るケースでは、会計年度任用職員として勤務する道があります。

具体的な配属先としては、

  • 警察署の受付業務
  • 運転免許や各種許認可の窓口業務
  • 事務補助業務

などがあります。

ただし、この場合は警察官としての身分は失われます。

制服を着て捜査やパトロールを行う立場ではなく、あくまで一般の行政職員としての勤務になります。

警部以上の警察官は定年後どうなる?階級が下がる仕組み

ここが警察官の定年制度で非常に特徴的な点です。

警部以上の警察官が、警察官としての身分を維持したまま勤務継続を希望した場合、一律で警部補に降任となります。

つまり、

  • 警部 → 警部補
  • 警視 → 警部補
  • 警視正 → 警部補
  • 警視長 → 警部補

という扱いになります。

地方公務員である都道府県警察官の最高階級は「警視長」です。

仮に警視長だった幹部が勤務継続を選べば、

警視長 → 警視正 → 警視 → 警部 → 警部補

と、実に4階級の降格となります。

元警察幹部が交番勤務になることもある?

理屈の上ではあり得ます。

たとえば、警視庁本部の参事官や警察学校長といった幹部経験者が、定年後に警部補として勤務を続ければ、警察署の地域課係長として交番勤務や現場対応を担当する可能性があります。

白い自転車で交番を巡回したり、ケンカやトラブルの現場に臨場したりすることも制度上はあり得るわけです。

実際に警視長から警部補になって勤務継続している例は把握していませんが、警察署長(警視正または警視)経験者が警部補として勤務を続けているケースはあると聞いています。

元刑事としての率直な感想

警察の仕事が本当に好きでなければ、ここまでして続けるのは難しいかもしれません。

私自身は、定年前に気力・体力の限界を感じて退職しました。

その経験からすると、幹部職を経験した後に階級を大きく下げ、現場の最前線で勤務を続けるという選択には、正直かなりの情熱が必要だと思います。

まとめ

警察官の定年制度をまとめると次のとおりです。

  • 警察官の定年は2031年までに65歳へ延長
  • 60歳時点で退職も継続勤務も選択可能
  • 警部補以下は階級維持で勤務継続可能
  • 給与は約7割に減額
  • 警部以上は警部補へ降任
  • 定年退職後は会計年度任用職員として警察内部勤務も可能
  • その場合は警察官の身分を失う

警察官の定年制度は一般企業とはかなり異なるため、外部からは見えにくい部分が多い制度です。

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淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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