警察官の定年【元警察官が解説】
長らく警察官の定年は60歳(60歳を過ぎたら翌年3月末日付で退職)でしたが、現在、警視庁では段階的に定年年齢を上げており2031年には65歳になります。60歳の時点でも定年退職は可能で、希望を聞かれ、現状の仕事のまま残留を希望する場合、警部補以下の警察官は階級そのままで給与が7割支給に下げられます。定年退職を選んだ場合は、再就職先を選ぶことができ、警察に残る場合は、会計年度職員として、警察署の受付業務や許認可窓口業務などに就くことができます。この場合、警察官としての身分は失います。
警部以上の警察官の場合は、警察官の身分のまま残留を希望すると、一律階級を警部補に降格されることになります。地方公務員の警察官がなれる最高位は「警視長」という階級です。もしもこの警視長で残留を希望すれば、実に階級が4つも下がることになります(警視長→警視正→警視→警部→警部補)。警視庁本部の参事官や警察学校長といった要職にあった幹部が、いきなり警察署の地域課係長となり、白い自転車に乗って交番を巡視したり、ケンカの現場に臨場したりしないとならなくなります。実際に警視長から警部補になって警察官の仕事を続けている人がいるかどうかはわかりませんが、警察署長(警視正または警視)から警部補になって続けている人はいるとのことです。よほど警察の仕事が好きなのでしょう。定年直前に気力体力の限界を感じて辞職した私からすればちょっと考えられないですね。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
