警察内で嫌われている部署【元警察官が解説】

 警視庁にはたくさんの部署(所属)がありますが、その中で他の部署から嫌われている部署を紹介します。

1.方面本部
 警視庁では東京都を10のエリアに分けて第一から第一〇までの方面本部があります。各方面本部は、そのエリア内の警察署を指導・監督する立場にあります。そして、警察署員にとって一番怖いのが方面本部による「随時監察」、通称「随監(ずいかん)」です。これは、方面本部の警部クラスが、深夜などに突然警察署や交番を急襲し、署員が勤務表に定められたとおりの勤務をしているか、簿冊や装備品などが規定どおりに備え付けられて記載・準備されているか、留置施設の巡視が規定どおりに行われているかなどをチェックします。違反や不備があれば、良くて注意、最悪懲戒処分となることもあり得ます。警察官を狩る警察官と言えます。方面本部長は警察署長より立場は上なので、指導や処分は絶対です。当然、警察署員からは嫌われています。
2.自動車警ら隊
 通称「自ら隊」です。任務は職務質問による各種犯罪の検挙です。110番通報は扱わず、交通違反取り締まりもしません。ひたすら職務質問で薬物事件や銃刀法違反などの検挙を目指します。深夜に突然、警察署にこうした事件を持ってくるので、警察署の内勤員(主に生活安全課、組織犯罪対策課)から非常に嫌われています。警察署としては、「来るな」とは言えないので、よほど忙しいときでない限りは受け入れざるを得ません。
3.遊撃隊
 地域部地域総務課内にあります。基本的には自ら隊と同じく職務質問による検挙をする隊です。ポンプを買いに来るシャブ中を、店の近くで私服になって待ち伏せするなど、自ら隊よりもエグいことをするので、自ら隊以上に嫌われています。
4.人事一課監察
 方面本部同様、警察官を狩る警察官です。警察官による各種不祥事(不倫、借金トラブルなど)を嗅ぎつけるや、警察官とは思えない格好をした警察官が対象者を尾行するなどして現場を押さえ、処分を受けさせます。最悪は懲戒解雇です。そうなると何十年勤務していても退職金はもらえません。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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