隅田川花火警備の思い出【元警視庁警察官の回想】

 機動隊と浅草警察署勤務時代に合計3回隅田川花火の警備に就きました。まず、人の多さはとんでもない状態です。最後に就いたのは2023年ですが、コロナ明けで外国人観光客が増えたことから場所によってはカオス状態になっていました。主要道路は一方通行にした上で立ち止まりや座り込みを禁止しているのですが、警察官や警備員が幾ら注意しても言うことを聞かない人たちはそこら中にいます。関東近県から若者の不良連中が多数集まってきており、さらにアルコールが入っているので、言うことを聞かなくて当然の感があります。中には絡んでくる者や殴りかかってくる者もいるので、毎年1人か2人が公務執行妨害で逮捕されます。公務執行妨害は手柄にも何にもならないので、逮捕された犯人は当然のこと、逮捕した警察官、事件処理した刑事、面倒を見る留置係員、送致を受けた検察官等、関わった人の誰も得をしない不毛な手続となります。「人が多くて自宅駐車場に車を入れられない」「ケンカしている」「子供がいなくなった」など、110番も多数入ります。少し離れた場所から見るならわかりますが、人のごった煮状態の打ち上げ場所近くに1~4歳くらいの幼児を連れてくる親の心境は理解に苦しみます。こんな状態ですから、打ち上げられる花火をのんびり見ようなんていう気には全くなりません。むしろ花火が嫌いになります。
 花火は午後8:30に終わりますが、帰る人が駅に殺到するので、しばらくその整理をしなくてはならず、また資機材の撤収などもあるので帰宅は深夜になります。現役の頃は、毎年7月下旬が近づく度に「台風が来て隅田川花火中止になればいいのに」と思っていました。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

Profile Picture