判例 地域課警察官であっても他署刑事事件に関して収賄が成立 平成17年3月11日 最高裁
主 文
本件上告を棄却する。
理 由
弁護人牧義行の上告趣意は,単なる法令違反,事実誤認の主張であって,刑訴法
405条の上告理由に当たらない。
なお,所論にかんがみ,第1審判決判示第2の1の事実について,職権で判断す
る。
原判決及びその是認する第1審判決の認定によれば,被告人は,警視庁警部補と
して同庁調布警察署地域課に勤務し,犯罪の捜査等の職務に従事していたものであ
るが,公正証書原本不実記載等の事件につき同庁多摩中央警察署長に対し告発状を
提出していた者から,同事件について,告発状の検討,助言,捜査情報の提供,捜
査関係者への働き掛けなどの有利かつ便宜な取り計らいを受けたいとの趣旨の下に
供与されるものであることを知りながら,現金の供与を受けたというのである。【
要旨】警察法64条等の関係法令によれば,同庁警察官の犯罪捜査に関する職務権
限は,同庁の管轄区域である東京都の全域に及ぶと解されることなどに照らすと,
被告人が,調布警察署管内の交番に勤務しており,多摩中央警察署刑事課の担当す
る上記事件の捜査に関与していなかったとしても,被告人の上記行為は,その職務
に関し賄賂を収受したものであるというべきである。したがって,被告人につき刑
法197条1項前段の収賄罪の成立を認めた原判断は,正当である。
よって,刑訴法414条,386条1項3号により,裁判官全員一致の意見で,
主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 甲斐中辰夫 裁判官 泉 徳治 裁判官 島田仁郎 裁判官 才
口千晴)- 1
淺利 大輔
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。