告訴事実の書き方17(信用毀損罪)【元刑事が解説】
信用毀損罪とは?名誉毀損罪との違いや成立要件を解説
信用毀損罪とは、虚偽の風説(うわさ)を流したり、偽計を用いたりして、個人や法人の信用を傷つけた場合に成立する犯罪です。ここでいう「信用」とは、主に 支払能力・支払意思 や 商品の品質 に関する社会的信頼を指します。
信用毀損罪と名誉毀損罪の違い
信用毀損罪と名誉毀損罪はよく混同されますが、保護法益が異なります。
- 名誉毀損罪:名誉(社会的評価)を保護する
- 信用毀損罪:経済的な信用(支払能力・商品の品質)を保護する
例えば、「○○社長は人使いが荒くて社員がかわいそう」という噂を流しても、経済的信用を直接損なうものではないため、信用毀損罪には該当しません。
信用毀損罪の成立要件
- 虚偽の情報であること
- 名誉毀損罪は「真実か虚偽かを問わず事実の摘示が必要」ですが、信用毀損罪は 「虚偽」であることが条件 です。
- 事実無根である場合はもちろん、部分的に虚偽の情報でも成立します。
- 例えば、実際の製品の欠点を指摘することは虚偽ではないため、信用毀損罪には当たりません。
- 人または法人の信用を毀損すること
- 「信用」とは、経済的取引や商取引に関わる社会的信頼を意味します。
- 非親告罪であること
- 名誉毀損罪や侮辱罪は親告罪(被害者の告訴が必要)ですが、信用毀損罪は 非親告罪 であり、告訴がなくても立件される可能性があります。
- 未遂は処罰されない
- たとえ信用を毀損しようとした行為が未遂に終わった場合、罪には問われません。
まとめ
信用毀損罪とは、経済的な信用(支払能力や商品の品質)に関する虚偽情報を流布し、個人や法人の社会的信頼を損なう犯罪 です。名誉毀損罪とは異なり、虚偽の情報であることが成立条件であり、非親告罪であるため告訴なしでも起訴される可能性があります。
信用毀損罪の告訴事実記載例です。
告訴事実
刑法第233条 信用毀損
被告訴人は、JR常磐線北松戸駅前においてラーメン店「しむろ」を経営するものであるが、同駅前の近隣に在する告訴人が代表取締役を務める株式会社紅葉「ラーメン店添加一品」が人気であることを妬み、同店の信用を失墜させようと企て、令和5年10月1日頃、株式会社ゼロワンが運営するインターネットサービスである食べマルの前記「添加一品」のクチコミ欄に、「添加一品は出汁に保健所でと殺された犬や猫の肉を使ってます。」などと書き込み、嘘を言って虚偽の風説を流布し、もって、前記「ラーメン店添加一品」の信用を毀損したものである。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


