警察のレスキューと消防のレスキューの違いを元刑事が解説
地震や土砂災害、建物倒壊事故などのニュースで、救助活動を行うレスキュー隊員の姿を目にすることがあります。
ところで、災害現場で活動するレスキュー隊には、警察のレスキュー隊と消防のレスキュー隊が存在することをご存じでしょうか。
どちらも人命救助を行う専門部隊ですが、その組織体制や任務、訓練環境には大きな違いがあります。
今回は元警察官(刑事)の視点から、警察レスキュー隊と消防レスキュー隊の違いについて解説します。
警察レスキュー隊と消防レスキュー隊の役割の違い
まず理解しておきたいのは、警察と消防では本来の任務が異なるということです。
消防のレスキュー隊は、人命救助そのものを主な任務としています。
一方、警察のレスキュー隊は、災害救助だけでなく、警備活動や治安維持活動も担当する機動隊の一部として編成されています。
そのため、災害現場では両者が協力して活動しますが、日常的な業務内容には大きな違いがあります。
警察のレスキュー隊は機動隊の一部
警察のレスキュー隊は、多くの都道府県警察で機動隊の中に編成されています。
機動隊員は、災害救助だけでなく、
- 大規模災害への対応
- 暴動や騒乱への対応
- 要人警護支援
- 雑踏警備
- 各種警備活動
など幅広い任務を担当しています。
また、警察組織では定期的な人事異動が行われます。
機動隊員として勤務できる期間には一定の限界があり、多くの場合は数年で警察署や警察本部へ異動となります。
異動後は、
- 地域警察官(交番勤務)
- 刑事
- 生活安全部門
- 交通部門
など別の職種に就くことになります。
そのため、レスキュー業務を専門的に経験できる期間は比較的限定される傾向があります。
消防レスキュー隊は長期間にわたり専門訓練を積める
一方、消防のレスキュー隊は救助活動を専門とする組織です。
消防署や分署間の異動はあっても、消防職員としての業務内容が大きく変わることはありません。
そのため、
- 建物倒壊救助
- ロープ救助
- 水難救助
- 山岳救助
- 特殊災害対応
などの専門訓練を長年にわたって継続することができます。
中には20年、30年近く救助業務に携わる隊員もおり、経験の蓄積という面では警察より有利な環境にあるといえるでしょう。
救助技術は消防レスキュー隊が優位と考えられる理由
「警察と消防ではどちらのレスキュー技術が高いのか」という疑問を持つ方も少なくありません。
もちろん個々の隊員によって差はありますが、純粋な救助技術や災害救助経験という観点では、消防レスキュー隊の方が高い専門性を持つケースが一般的です。
その最大の理由は、訓練期間と実務経験の差です。
消防レスキュー隊は長期間にわたり救助活動を専門に行うため、技術やノウハウが継続的に蓄積されます。
一方、警察レスキュー隊は人事異動によって別職種へ配置転換されるため、どうしても専門技能を継続して磨ける期間が限られます。
まとめ
警察レスキュー隊と消防レスキュー隊は、どちらも人命救助に欠かせない重要な部隊です。
ただし組織体制には大きな違いがあり、警察レスキュー隊は機動隊の一部として幅広い任務を担うのに対し、消防レスキュー隊は救助活動を専門として長年訓練を積み重ねることができます。
そのため、純粋な災害救助技術や経験の蓄積という点では、消防レスキュー隊の方が高い専門性を持つと考えられます。
もっとも、大規模災害の現場では警察・消防・自衛隊がそれぞれの強みを生かしながら連携して活動しており、どの組織も人命救助には欠かせない存在であることに変わりはありません。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


