馬鹿らしいと思った警察施策のあれこれ【元刑事のコラム】
1.家庭訪問
2000年代、警察官の不祥事がいろいろと問題になり、警視庁はその対策に躍起になりました。いろいろな施策が講じられた中で、最も馬鹿らしいと感じたのがこの「家庭訪問」です。
なぜ家庭訪問が始まったかというと、既婚者である警察官の数名が、組織には「同居」と届け出ておきながら、奥さんや子供と別居して届け出とは違う場所に住んでいた事例があったからです。そのため、警視庁は、警部補以下の職員で単身寮に住んでいる者以外全員に対して、数年に1回程度の「家庭訪問」を義務づけしました。休日に、上司が担当部下の自宅を訪問して、実際に居住しているか、家族が同居しているか確認せよというわけです。実際、私の自宅に担当上司が来ましたし、私も担当部下の家に行きました。電車代はスイカやパスモの履歴で請求しないとならないため、「行ったふり」はできません。警視庁の職員数は約4万4000人です。交通費だけでかなりの出費があったと思われます。また、上司と部下の家が近いとは限りません。所属を中心にして正反対方向にあれば、片道だけで2時間半以上かかることもあります。せっかくの休日が1日台無しになることもありました。
2.自宅のパソコン調査
やはり2000年代、警視庁K警察署の刑事が、職場に私物の外付けハードディスクを持ち込み、これに職務上のデータを保存し、自宅に持ち帰って在宅時に仕事をしていました。ところが、この刑事は自宅のパソコンにウィニーを入れていたため、外付けHDに保存されていた大量の捜査対象者個人情報が流出してしまったのです。これに対して警視庁が取った対策は、全警察官に自宅にあるパソコンの台数を報告させると同時に、それらのパソコンにウィニー等のファイル共有ソフトがインストールされていないことを記載した自認書の提出でした。自認書は、印字は許されず、一語一句手書きという徹底さでした。そしてさらに、パソコンを持っていると報告した職員には、全員フロッピーディスクを渡され、「これで自宅のパソコンを検索せよ」と厳命されました。このフロッピーディスクには、ファイル共有ソフトを検知するプログラムが入っており、実行するとその有無が表示されるので、その結果を印刷して上司に提出しろというものでした。ここで問題が次々と発生しました。今と違って、当時はパソコンは一家に1台が多く、警察官である父親が知らない間に子供がファイル共有ソフトをインストールしていることがあり、「ファイル共有ソフトあり」とされるケースが頻出したのです。
これに対して警視庁は「ファイル共有ソフトは全てアンインストールして再度フロッピーで検索して報告せよ」と命じました。これに対して一部の職員は面倒くさくなり、ファイル共有ソフトが入ってないと認定された同僚から検索結果のコピーをもらい、上司に提出しました。ところが、敵も然る者、それを予測して、検索結果にワナを仕込み、検索結果が同一にならないように仕組みを設けていたので、コピーするとバレるようになっていたのです。
こうした不毛な攻防の結果、翌年から少なくない職員が、所有するパソコンについて「こんな面倒な手続が必要なら要らないので捨てた」と申告して、保有PCをゼロで申告するようになりました。これに対して組織は、家をガサるわけにもいかず、フロッピー調査は2年ほどで自然消滅しました。
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淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


