告訴状が警察で不受理となったら【元刑事が解説】
告訴状が警察で最終的に「不受理」となった場合、他の警察署に行っても「始めに行った○○署に行ってください」と門前払いにあいます。検察庁に行っても「第一次捜査権のある警察に行ってください」と言われて断られる可能性が極めて高いです。警察署で「不受理」が確定した場合の対策について説明します。
1.被害届に変更する
希にですが、「被害届なら受理しますよ」となるケースがあります。被害届では警察に「送致義務」が生じないので、犯人の処罰可能性は告訴状より下がりますが、それでも出さないよりはマシですから、被害届でもあっても受理してくれるなら提出しましょう。警察が捜査を開始した後、他に被害者がいるなど悪質性が判明した場合、「やっぱり告訴状も受理しますから、持って来てください」と言われる可能性もあります。
2.その都道府県警の本部(本庁舎)に提出する
警察署で不受理となった場合でも、あまり期待はできないのですが、都道府県警本部で受理されるケースも無くはありません。私自身、警察署で断られた告訴を警視庁本部捜査二課聴訴室で受理したことがあります。ダメ元くらいの気持ちで相談に行ってみてください。ただし、土日祝日は一切やってないので平日昼間のみです。
3.弁護士に相談する
弁護士さんの中には「告訴を警察に必ず受理させます!」とゴリ押しを自慢している先生がいます。料金は何十万円とかかりますが、払えるなら相談してみてください。なお、行政書士には交渉権が無いため、そのようなサービスは提供できません。
4.民事訴訟を提訴する
警察への告訴と違い、裁判所に民事で訴える場合、「不受理」ということはありません。提訴する金額が60万円以下であれば、手続が極めて簡単で弁護士も不要な「少額訴訟制度」が利用できます。
警察署に告訴状を提出したのに「不受理」となった場合、多くの方が途方に暮れてしまいます。しかも、他の警察署に行っても「最初に行った○○署に行ってください」と取り合ってもらえず、検察庁でも「第一次捜査権がある警察署に行ってください」と門前払いされるケースが非常に多いのです。
ここでは、告訴状が不受理となった場合の対応策について詳しく解説します。被害者の権利を守るために、できる限りの対応を検討しましょう。
1.「被害届」に切り替えて提出する
告訴状が不受理となっても、被害届なら受理される可能性があります。
告訴と異なり、被害届では警察に「送致義務」が発生しないため、犯人が処罰される可能性は若干下がります。しかし、まったく行動を起こさないよりは遥かにマシです。
また、警察が捜査を始めた結果、他にも被害者が見つかったり、事件の悪質性が明らかになると、「やはり告訴状も受理します」と言われるケースもあります。
🔍 関連キーワード:被害届 受理 条件/告訴状と被害届の違い
2.都道府県警察本部に相談・提出する
地域の警察署で不受理となっても、都道府県警本部(警視庁など)では受理される可能性があります。
私自身、ある案件で地域の警察署では断られましたが、最終的に警視庁本部・捜査二課聴訴室で受理された経験があります。可能性は高くありませんが、「ダメ元」で相談してみる価値はあります。
注意点として、都道府県警本部の窓口は平日の昼間のみ対応しています。土日祝日は対応していないため、事前に確認してから訪問しましょう。
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3.弁護士に依頼する
告訴状の受理を警察に強く働きかけてくれる弁護士もいます。
一部の弁護士は、「必ず警察に告訴状を受理させます」と公言していることもあります。費用は数十万円かかることがありますが、費用をかけても確実に動きたい場合は検討する価値があります。
ただし、行政書士は交渉権がないため、告訴状の提出交渉などはできません。
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4.民事訴訟を提起する
警察に告訴できなくても、民事訴訟で損害賠償請求は可能です。
民事訴訟には「不受理」という概念がなく、訴状が形式的に整っていれば提訴できます。特に、請求金額が60万円以下であれば、少額訴訟制度を利用することで、手続きも簡易化され、弁護士なしで対応することも可能です。
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【まとめ】告訴状が不受理でも諦めない!取るべき行動4選
- 被害届として提出することで受理される可能性あり
- 都道府県警本部に直接持ち込む
- 弁護士に依頼して強力にサポートしてもらう
- 民事訴訟で損害賠償請求を行う
警察に告訴状を受理してもらえないからといって、泣き寝入りする必要はありません。上記の方法を踏まえて、適切な手続きを進めていきましょう。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


