警察に『証拠が無い』と言われたら【元刑事が解説】
告訴相談や被害届を提出しに行った際に、担当の警察官から「証拠が無いので受理できない」と言われることがよくあります。さて、その事件、本当に証拠が無いのでしょうか。詐欺事件の証拠品といえば、契約書、領収書、パンフレット、名刺、録音などが思い浮かぶと思います。暴行、傷害事件であれば、録画、録音、目撃者などでしょう。しかし、こういった直接的な証拠以外にも証拠となるものはあります。詐欺事件なら、犯人とのメール、犯人に渡した現金を引き出したときの銀行明細、犯人と事件を知っている人の証言なども立派な証拠となります。傷害事件なら、犯人に殴られたり、蹴られたりした部位の治る前の写真があれば重要な証拠になります。医師の診断書も当然証拠になります。
もし、これらの証拠が無いとしても、捜査して証拠を収集するのも警察の重要な役目ですから、その点を強調して捜査依頼をしてください。
【告訴・被害届が受理されない?】証拠がないと言われたときの対処法と証拠の種類
警察に告訴相談や被害届の提出をしに行った際、「証拠がないため受理できない」と担当警察官に言われた経験はありませんか?
しかし、その事件には本当に証拠がまったく存在しないのでしょうか。
詐欺事件の証拠とは?
詐欺事件において証拠としてよく挙げられるのは以下のようなものです:
- 契約書や領収書
- パンフレット、名刺
- 音声の録音データ
こうした直接的な証拠のほかにも、以下のような間接的な証拠も有効です:
- 犯人とのメールやSNSのやりとり
- 現金を引き出したときの銀行明細
- 犯人や事件を知っている第三者の証言
これらはすべて、詐欺の立証に役立つ重要な証拠です。
傷害事件の証拠の集め方
傷害事件の場合、以下のような証拠が有効です:
- 暴行を受けた箇所の写真(治癒前の状態)
- 現場での録画・録音
- 事件を目撃した人の証言
- 医師の診断書
特に、怪我の写真や診断書は、傷害の存在を客観的に示す強力な証拠になります。
証拠がない場合でも諦めないで
たとえ明確な証拠が手元にない場合でも、警察には捜査によって証拠を収集する責任があります。
「証拠がないから受理できない」と言われた場合でも、捜査によって事実を明らかにすることが可能であることを強調し、粘り強く捜査を依頼しましょう。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
