刑事告発とは何ですか?【元刑事がわかりやすく解説】

 告発とは?刑事告発の意味・告訴との違い・告発状の書き方を元刑事が解説

告発とは(刑事告発の正しい意味)

「刑事告発」という言葉は一般的に使われていますが、刑事訴訟法上の正式な用語は単に「告発」です。

ただし、「告発」という言葉は、企業不正を外部に明らかにする「内部告発」という意味でも広く使われているため、区別のために「刑事告発」と呼ばれることが多くなっています。

本記事では、以下「告発」として解説します。


告発とは何か(定義)

告発とは、
👉 犯罪の被害者ではない第三者が、捜査機関に対して犯人の処罰を求める行為
をいいます。

告訴との違い

  • 告訴:被害者が行う
  • 告発:第三者が行う

例えば、以下のように区別されます。

  • お金を盗まれた → 被害者が「告訴」
  • 第三者が犯罪を知った → 「告発」

告発は誰でもできる

告発は法律上、誰でも行うことができます。

  • 未成年者でも可能
  • 外国人でも可能

なお、犯人が自分自身を告発することも理論上は可能ですが、
👉 実務上は「自首」または「任意出頭」として扱われます。


告発の方法(口頭・書面)

告発は法律上、以下の方法で行えます。

  • 口頭
  • 文書(告発状)

しかし実務では、
👉 ほぼすべてが「告発状(書面)」で提出されます。

元刑事の実務経験上、口頭で受理され調書化されるケースは極めて稀です。


告発状の書き方と必要記載事項

告発状には決まった様式はありませんが、以下の5項目は必須です。

必須項目

  1. 作成日
  2. 宛先(警察署長など)
  3. 告発人の氏名・年齢
  4. 告発事実
  5. 処罰意思

👉 匿名の告発は受理されません。


告発事実の書き方(最重要ポイント)

告発が受理されるかどうかは、
👉 「告発事実の具体性」で決まります。

必須要素

  • いつ(日時)
  • どこで(場所)
  • 何をしたか(行為)

NG例(受理されない)

❌「薬物をやっている可能性がある」
→ 推測にすぎない

❌「2、3年前にどこかで現金を盗んだ」
→ 抽象的すぎる

👉 推測や曖昧な記載は告発として成立しません。


被告発人が不明でもOK

犯人が分からない場合は、
👉 「被告発人 不詳」と記載すれば問題ありません。


告発が使われる主なケース

告発は、特に以下のような犯罪で使われます。

  • 薬物犯罪
  • 贈収賄
  • 地方公務員法違反
  • 弁護士法違反
  • 脱税

👉 被害者が特定されにくい犯罪で多く利用されます。


必要的告発とは(公務員の義務)

告発には2種類あります。

任意的告発

一般人が行う告発

必要的告発

👉 公務員に課される義務

公務員は、
職務に関して犯罪を知った場合、告発しなければならない
とされています。

具体例

  • 税務署職員 → 脱税を発見
  • 消防職員 → 消防法違反を確認
  • 福祉担当職員 → 生活保護の不正受給を確認

※ただし「職務外」は対象外
(例:勤務中に暴行を目撃 → 告発義務なし)


まとめ|告発は第三者による重要な刑事手続き

告発は、
👉 被害者以外でも犯罪の処罰を求められる重要な制度です。

ただし、実務上は

  • 書面(告発状)で提出すること
  • 犯罪事実を具体的に記載すること

が非常に重要になります。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

Profile Picture