行政書士になったら仕事内容が刑事と一緒だった件
おかげさまで当事務所には毎日のようにいろいろな事件のご相談をいただいております。警察が事件と認定して受理してくれそうなものであれば、喜んで告訴状(告発状)を作成させていただいております。ですが、中には公訴時効が過ぎていたり、文書偽造罪で偽造文書の原本がなかったり、そもそも犯罪にならないケースなどのご相談もあります。これらのケースでは、どのように告訴状を作ったところで、受理される可能性は全くないので、理由を話してご委任をお断りしているのですが、「いや、悪質なので何とかしてほしい」「こんな悪いやつをそのままにしていいのか」「余罪があるはずだから調べてほしい」と言って引いてくれない方もいらっしゃいます。このようなときには、きちんと理由を説明して、なぜ事件にならないのか、なぜ警察が受理しないのか、を一生懸命話して説得します。説得している途中で、「あ、これ刑事のときと同じこと言ってるなオレ」と思うことがしばしばあります。
刑事のときにも、毎日のように事件相談がありましたが、その大半は事件にならなかったり、管轄違いなどの理由で受理や事件化ができないものでした。そうしたとき、きちんと理由を話してお断りするのですが、簡単に納得してくれる方のほうが少なく、1時間も2時間も説得することがありました。それが刑事を辞めた今も同じことをやるようになるとは、この仕事を始めるまで思ってもいないことでした。
当事務所では前金制でご依頼を受けている関係上、受理されないとわかっている事件の告訴状を作ることはできません。長年刑事をやってきたので、ご相談を聞いている途中で警察受理の可否はだいたいわかってしまいます。受理されないだろうとわかっていながら「多分受理してくれますよ」なんていってご依頼を受けたなら、詐欺以外の何ものでもありません。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
