告訴したことは相手に分かる?【元刑事が解説】
「告訴をした場合、相手に知られるのか?」と不安に思う方は多いでしょう。結論としては、告訴が受理されると、最終的に相手(被告訴人)に知られる可能性が極めて高いです。では、どのタイミングで告訴が伝わるのか、具体的に説明します。
1. 告訴前の相談段階で相手に知られるケース
告訴の相談段階(受理前)に、警察が事実確認のために相手に電話をかけたり、呼び出すことがあります。これは、
- 事件が複雑で事実関係が不明確な場合
- 告訴人の話に不自然な点があり、虚偽告訴罪の可能性が疑われる場合
このような場合、警察が相手に「どの事件に関する事情聴取か」を伝えるため、告訴人の情報が相手に伝わってしまうことがあります。
2. 告訴受理後に相手に知られるタイミング
相手を呼び出さずに告訴を受理した場合、警察はすぐに相手へ告知することはありません。しかし、捜査が進むと、
- 事件の証拠が揃い、相手を逮捕する段階
- 逮捕せず、任意の事情聴取を行う段階
このいずれかのタイミングで、取調べの際に告訴事実が告げられるため、告訴人が誰かが推定等される可能性があります。
3. 例外的に告訴人の情報が伏せられる場合
性犯罪などの一部のケースでは、被害者(告訴人)の名前や住所を秘匿したまま捜査が進められることがあります。ただし、
- 被告訴人側に弁護士がついた場合、検察官から告訴状の写しを入手できるため、名前が判明する可能性があります。
まとめ
告訴は一定のプロセスを経て進められるため、最終的に相手に知られることがほとんどです。特に、刑事事件の流れでは、警察の捜査段階や取調べ時に告訴人の情報が相手に伝わることになります。性犯罪など一部の例外を除き、完全に秘匿することは難しいため、告訴を検討する際には十分な準備と理解が必要です。
告訴の流れや対策について詳しく知りたい方は、当職にご相談ください。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
