元警察官が語る!実際に扱った珍しい詐欺手口9選【被害防止のためのガイド】

私が警察官時代に扱ったり見聞きした中で、特に変わった手口の詐欺(悪徳商法含む)について紹介します。


1. スカウト詐欺【芸能界の夢を悪用】

手口:

  • 原宿や渋谷で十代~二十代の男女に「モデルにならない?」と声をかける。
  • 事務所へ連れていき写真撮影を行い、その気にさせる。
  • 「売り込みには宣材写真が必要」「プロカメラマンが撮影」として数万円から数十万円の撮影料を要求。※カメラマンには資格も登録制度もないので自分で「プロカメラマン」と名乗れば誰でもプロになれる。
  • 実際に写真を撮るが、売り込みは一切せず。
  • 「仕事が来ない」と苦情を言うと、安いエキストラの仕事を回してくる。

対策:

  • 事務所の実績や評判を事前に調査する。
  • 契約書を交わす前に第三者に相談する。

2. 安物腕時計詐欺【倒産話で同情を引く】

手口:

  • 路上でスーツ姿の男が「会社が倒産して、腕時計を無料であげる」と接触。
  • 受け取ると「給料も出ず、食事代もない。家族がいる。」と泣きつく。
  • 親切心から1万円程度を渡すと、男はその場から消える。
  • 受け取った腕時計は東南アジア製の数百円程度の安物。

対策:

  • 見知らぬ人から物を受け取らない。
  • 「無料」の申し出には警戒する。

3. 新聞集金詐欺【元配達員の裏切り】

手口:

  • 新聞販売店を辞めた元従業員が、担当していた区域で集金を行う。
  • 顔なじみのため、疑いなく代金を支払ってしまう。
  • 本来の集金日になって発覚。

対策:

  • 集金時には販売店の正規の領収書を確認する。
  • 不審な場合は新聞販売店へ直接問い合わせる。

4. 募金詐欺【善意を利用】

手口:

  • 交通遺児や海外難民支援を名目に街頭で募金を集める。
  • 実際は集めた金を私的に使用。

対策:

  • 信頼できる団体の公式募金を利用する。
  • その場での寄付は避け、団体の実態を調べる。

5. パチンコ必勝法詐欺【勝てる方法は存在しない】

手口:

  • 「必勝法」を5~10万円で販売。
  • 実際には全く効果のない打法を指示。
  • クレームを入れると「対策されたかもしれません。別な台の必勝法を買いましょう」などと新たな必勝法を勧め、さらに金を取る。

対策:

  • 必勝法にお金を出さない。
  • そもそもギャンブルは確率で成り立っていると理解する。

6. 自動車燃費アップ詐欺【ただの石を高額販売】

手口:

  • 「タンクに入れるだけで強力なイオンが出て燃費が30%向上!」などと宣伝。
  • 実際には何の効果もない石を販売。

対策:

  • 科学的根拠のない商品に騙されない。
  • 燃費向上をうたう商品は公式情報を確認する。

7. エステ店詐欺【前金制で逃げ切る】

手口:

  • 施術20回程度のチケットを10万円~20万円など高額な前払いで販売。
  • 予約が2か月先、3か月先とどんどん伸びる。
  • ある日突然店が閉店し、関係者は行方をくらます。残ったチケットは紙切れに。

対策:

  • まとまった前払いを求める店は避ける。
  • 口コミや実績を調べる。

8. デリヘル美人局詐欺【恐喝手口】

手口:

  • デリヘルを呼ぶと、行為中に女性がわざと誘うように仕向け、OKと勘違いして挿入すると「本番禁止なのに」とクレーム。
  • 直後に強面の男が現れ、「うちの嬢に何してくれんねん」などと高額な示談金を要求。

対策:

  • 違法サービスを利用しない。
  • もし被害に遭ったら即座に警察に通報する。

9. 白アリ詐欺【床下点検の罠】

手口:

  • 訪問営業で「無料で白アリ点検します」と持ちかける。
  • 床下に潜り、他で捕まえて持ってきた白アリを見せて危機感をあおる。
  • 高額な消毒費を請求。

対策:

  • 事前に信頼できる業者を調べる。
  • 突然の訪問営業には応じない。

まとめ

詐欺の手口は巧妙で、善意や無知につけ込んできます。「そんなの引っかからない」と思う人ほどターゲットになりやすいものです。怪しいと感じたら、すぐに周囲に相談し、冷静に判断することが大切です。

【詐欺被害を防ぐ3つのポイント】

  1. 不審な勧誘には即答せず、一度持ち帰る。
  2. 事前に企業やサービスの評判を調査する。
  3. 少しでも怪しいと感じたら、消費者センターや警察に相談する。

この記事が皆さんの安全対策に役立つことを願っています!

旧記事
 私が警察官時代に扱ったり見聞きした中でちょっと変わった手口の詐欺(悪徳商法含む)について紹介します。
※ご注意:「詐欺」としていますが、ここに記載した手口と似た被害にあったとして、それが実際に詐欺罪を構成するかは個別判断になります。よって必ずしも警察で被害届や告訴状が受理されるとは限りませんのでご了承ください。
1 スカウト詐欺
 原宿や渋谷付近を歩いている十代~二十代の男女に自称スカウトが声をかけ「彼女かわいいね。モデル事務所の○○なんですが、モデルの仕事に興味ない?」などと声をかけ、近くの雑居ビルにある事務所に連れていき何枚か写真を撮ってその気にさせた上で、「売り込むにはきちんとした宣材写真が必要です。うちの事務所では、タレントの○○○○なんかも撮ってるプロカメラマンの○○さんが専属なので、写真撮ってくれます。撮影料は8万円です。次回、おしゃれして来てください」などと言って高額な撮影料を取ります。実際に写真を撮ってくれますが、それで終わりです。売り込みなんかしてくれません。「仕事が来ない」と苦情を言うと、1日数千円の通行人役のエキストラの仕事を回してきます。
2 安物腕時計詐欺
 都内の繁華街を歩いていると、スーツ姿の男性が「すみません。うちの会社倒産しちゃって腕時計が大量に在庫あるので一つもらってくれませんか」などと声をかけてきます。タダならと思って手を出すと「あの、よかったらでいいんですが、給料出ないので今日の食事代もないんです。妻子もいます。どうか1万円でお願いできませんか」などと言ってきます。演技が非常に上手いので、親切な人だと「この人本当にかわいそう」と思ってつい1万円を渡してしまいます。男は礼を言うとさっとどこかへ消えます。二度と見つけることはできません。しばらくして我に返り、腕時計をよくよく見ると、ベトナム辺り製造の数百円程度の安物であることがわかります。警察に相談に行っても、名刺や領収書もなく、男を見つける方法は一切ありません。
3 新聞集金詐欺
 新聞販売店で新聞配達と集金を担当していた元従業員が、販売店を辞めた後に自分が担当していた区域を回り、新聞代を集金する詐欺です。お客さんは辞めたことを知りませんし、顔なじみですから何の疑問も持たずにお金を渡します。新しい担当が集金に回ったときになって、「今月もう払ったわよ。いつもの人に。」となって発覚します。犯人はそのときにはもうどこかへ高飛びしていなくなっています。
4 募金詐欺
 交通遺児や海外難民などのための募金と称して街頭でお金を集める詐欺です。集めた金は仲間でわけて酒を飲んだりギャンブルに費やします。
5 パチンコ必勝法詐欺
 パチンコの必勝法を売る詐欺です。パチンコ雑誌に広告を掲載したり、ネットで客を集め「○○○○台での絶対勝てる打ち方」を1件5~10万円程度で販売します。お金を払うとその打ち方を書いた紙が送られてきたり、メールが届きます。「〇ボタンを2回素早く押した後、○○チェッカーに玉を〇発入れて10秒経ってから×ボタンを3回・・・」などと、いかにもそれらしい打ち方を教えてきます。喜んでパチンコ屋に行ってその方法を試してももちろん出るわけありません。インチキですから。客が怒って電話すると「おかしいですね。皆さんそれで勝っているんですけどね。もしかしたら対策されたかもしれません。それならもっと簡単手順の○○××台の打ち方買いませんか。これなら間違いなく出ます。」などといって別な打ち方を売りつけます。客はサラ金に行ってお金を借り、再び払って必勝法を買いますが、もちろん今度も出ません。
6 自動車燃費アップ詐欺
 「ガソリンタンクに入れるだけで○○石から出る××イオンがガソリン成分を活性化させ、燃費が最大で30%向上します!」などと宣伝してただの石を高額で売る詐欺です。逮捕事例もあります。
7 エステ店詐欺
 駅前の雑居ビルなどに脱毛などのエステ店をオープンします。施術20回チケット10万円などとして前金で払わせます。1回目はすぐに施術を受けられますが、終わった後に次回予約を取ろうとすると「当店大変人気がありまして現在予約が2か月先まで埋まっております。2か月後の木曜日6時でよろしいでしょうか?」と言われます。仕方なくその日を予約し、その日に施術を受けると「次回予約は3か月先で・・・。」となります。オーナーは人件費を抑えるために店員の人数を抑えており、にもかかわらず前売りチケットをどんどん売るので、予約が伸びるのは当たり前なのです。行きつく先は苦情&消費者センター&訴訟となり、ある日突然ドアに「当店は事情により閉店いたしました」の貼り紙をして関係者はドロンです。そしてどこか離れた町でまた似たようなエステ店を開店するのです。
8 デリヘル美人局詐欺(性的描写がありますので苦手な人は読まないでください)
 デリヘルを呼んで行為を始めます。女性は横たわっていいなりです。なんとなく誘ってきているようにも思えてきます。「もしかして本番OK?」と思い、そーっと入れてみますが抵抗しません。喜んで行為をエスカレートさせたとたん、女性が真顔になって「あんた、もしかして入れてる? うち本番禁止なんだけど。」と言うとスマホでどこかに電話をかけます。数分でどうみても一般人ではない強面の男二人が部屋に来ます。「お客さん、うちの嬢に本番したそうじゃないですか。どうしてくれるんすか。」と語気鋭く申し向けられます。その後50~100万円の示談金を要求されます。「詐欺」としましたが、送致罪名は恐喝になる場合が多いです。
9 白アリ詐欺
 訪問営業マンが、やや古い木造の一軒家を訪ね「白アリがいないか無料でお調べします」と言って、応じると床板や畳をはがして床下に潜ります。数分後、してやったりといった顔をして「ほら、いましたよ!」と言ってケースに入れた白アリ数匹を見せます。家主がびっくりすると「今ならまだ初期段階で間に合いますから早く消毒しましょう。料金は全部で30万円です。すぐに作業したほうがいいので、振り込みお願いします。」と言ってお金を騙し取ります。見せた白アリはどこか他の場所で捕まえてきたものです。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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