もし告訴されたらどうしたらいいですか?【元刑事が解説】

告訴・告発された場合の対処法|行政書士が解説

告訴・告発とは?

告訴や告発を受けた場合、どのように対応すべきか悩まれる方は多いでしょう。私は行政書士であり、弁護士ではないため、被告訴人の弁護を行うことはできません。しかし、刑事事件に関する知識や経験をもとに、告訴された場合の対応についてアドバイスいたします。

告訴されたかどうかを確認する方法

自分が告訴されたかどうかを知る方法はいくつかあります。

  • 被害者と面識がある場合:被害者から直接聞かされることがあります。
  • 弁護士が介入している場合:被害者側の弁護士から連絡を受ける可能性があります。示談が目的の場合があります。
  • 被害者と面識がなく、弁護士の連絡もない場合:事件の発生場所を管轄する警察署の刑事課で直接確認する方法がありますが、教えてくれるとは限りません。ただし、警察の対応はケースによるため、問い合わせた際にそのまま取調べになることもあります。そうなれば告訴されている可能性が高いことになります。

取調べの流れと対応

警察の取調べが始まると、被疑者(容疑者)の場合、まず「供述拒否権」(『言いたくないことは言わなくていい権利があなたにあります』と言われます)が告知されます。これにより、自分が被疑者(被告訴人)であるかどうかが明確になります。 取調べにおいて、事実関係を正直に話し、告訴人の供述内容と一致する場合は、逮捕されずに書類送検(送付)される可能性があります。

自主的に出頭するメリット

もし告訴されたことが判明したら、自ら警察署に出頭し、刑事の取調べを受けることで有利に働く場合があります。

  • 刑事の印象が変わる:「素直に認めているなら、逮捕せず任意捜査にする」という判断になる可能性があります。
  • 逮捕リスクの軽減:特に軽微な犯罪では、反省の態度を示すことで逮捕を回避できることがあります。

ただし、1000万円を超える業務上横領や重傷を負わせた傷害事件など、重大な犯罪では逮捕の可能性が高いため、慎重に対応しましょう。

示談・弁済の重要性

お金に余裕がある場合、可能な限り被害者に対して返済や弁済を行うべきです。

  • 刑事手続きへの影響:示談が成立すると、刑事の逮捕判断や検察官の起訴判断、裁判官の判決に有利に働きます。
  • 告訴の取り下げ:示談が成立すれば、告訴が取り消され、逮捕や起訴を回避できる可能性が高まります。

仕事や家族への対応

  • 仕事は続けるべき:逮捕される可能性があるとしても、働けるうちは働き、できるだけ貯蓄しておくことが重要です。
  • 家族には早めに話す:いずれ発覚するため、自分の口から説明したほうがよいでしょう。

刑事事件に強い弁護士への相談

  • 私選弁護士の活用:資金がある場合は、刑事事件に詳しい弁護士を探して依頼する。
  • 示談交渉の支援:弁護士を通じて示談交渉を行い、告訴を取り下げてもらう。

スマホやPCの押収対策

事件の内容によっては、スマホやPCが押収される可能性があります。常にクラウドにバックアップを取っておくことで、万が一の事態に備えましょう。

まとめ

告訴・告発を受けた場合の適切な対応は、事件の内容によって異なります。警察の取調べに冷静に対応し、示談や弁護士の活用を検討することが重要です。特に、逮捕を避けるためには、誠実な態度と適切な示談交渉がカギとなります。

旧記事
 私は行政書士であり、弁護士ではないので、告訴(告発)された方の弁護をすることは当然にできません。これまで刑事として数多くの被告訴人を取り調べてきました。犯罪は憎むべきですが、被告訴人も同じ人間です。人間間違いを起こしてしまうことはあります。何かの犯罪を犯して被害者に告訴(告発)されてしまった場合、どうすべきかをアドバイスしてみます。
 自分が告訴されたかどうかは、被害者と面識がある場合には、被害者から聞くことが多いと思われます。間に弁護士が入っている場合は、弁護士から聞くことになるでしょう。では、被害者と直接面識がなく、弁護士との接触もない場合には、どうやったら知ることができるでしょうか。事件の発生場所が明らかであるなら、発生場所を管轄する警察署の刑事課に行って直接尋ねる方法があります。教えてくれるかどうかは、その事件次第ですが、呼び出す手間が省けたとそのまま取調べになるかもしれません。取調べになれば、事前に「言いたくないことは言わなくていい権利があります」と供述拒否権の告知を受けますから、自分が被疑者(被告訴人)であることがわかります。そのまま取調べを受け、事実関係について正直に話し、告訴人の供述内容と概ね一致するなら、そのまま任意捜査で逮捕されずに書類送致(法的には送付といいます)されるかもしれません。
 つまり、自分が告訴されたことがわかったなら、自ら警察署に出頭して刑事の取調べ受けることが有利に働く可能性があるということです。刑事も人間ですから、やってしまった犯罪を反省して素直に認める供述をするなら「こいつ、悪いやつかと思ったら意外と素直なやつだな。逮捕しようかと思ってたけど、任意捜査にしてやろう」と思うことだってあります。ただし、事件内容によります。1000万円を超える業務上横領や、被害者が大けがをした傷害事件などでは、任意捜査は難しく逮捕される可能性が高いです。
 お金があるなら可能な限り告訴人に対して返済または弁済をすべきです。お金を払ったからといって罪が無くなるわけではありませんし、受理された告訴が消えて無くなるわけでもありませんが、刑事の逮捕判断、検察官の起訴判断、裁判官の判決内容に影響することは間違いありません。告訴人が必ずしも示談して告訴を取り消してくれるわけではありませんが、受け取ってくれば自分に有利に働きます。
 仕事については、続けるしかありません。逮捕されてしばらく休職すると解雇となる場合もありますが、雇用主次第では釈放されるまで待っていてくれるところもあるでしょう。いつ逮捕されるかはわからないので、働けるうちは働いて少しでもお金を貯めておくべきです。
 家族がいるなら内緒にしないで話しておきましょう。いずれバレますので、自分の口から説明しておいたほうが良いです。
 私選弁護士を依頼できるだけのお金があるなら、刑事事件に詳しい弁護士を探して依頼することができます。示談の可能性があるならその相談もすべきです。示談が成立すれば告訴状は取消され、逮捕されることはまず無くなりますし、起訴もないでしょう。
 事件の内容によりますが、スマホやPCは押収される可能性があります。いつ押収されてもいいように、こまめにクラウドにバックアップしておきましょう。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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