告訴事実の書き方38(不正競争防止法)
窃盗罪が客体とするのは物質と電気だけであり、平成5年にこの法律ができるまでは、情報窃盗は不可罰でした。
営業秘密(顧客情報)の転送開示の告訴事実記載例です。
告訴事実
不正競争防止法違反 同法第21条第1項第4号、第3号ロ
被告訴人は、告訴人である株式会社ワールドワイドの従業員として、千葉県幕張市海浜幕張1丁目73番3号所在の同社幕張支店に勤務し、同社が秘密として管理している同社顧客の住所、勤務先名、氏名、メールアドレス、電話番号、年収等の情報であって公然と知られていないものが記録された同社のサーバーコンピュータにアクセスするためのIDを付与されていたものであるが、前記支店に設置されたパーソナルコンピュータを操作して前記サーバーコンピュータにアクセスして知ることのできた、同社の営業秘密である23万4354名の顧客情報であって、その記録内容を外部記録媒体等に保存してはならない内容の顧客情報の管理義務に背いて、自己所有のスマートフォンを前記パーソナルコンピュータに接続して記録する方法により領得したものを、令和6年6月7日午後10時0分頃、前記支店において、不正の利益を得る目的で、再三者に開示してはならない内容の顧客情報の管理に係る任務に背いて、自己のスマートフォンの電子メール機能を利用して、千葉県千葉市中央区中央西2丁目5番67号所在の株式会社印度が管理、使用するメールアドレスに送信し、もって告訴人会社の営業秘密を開示したものである。
淺利 大輔
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。