告発事実の書き方1(犯罪による収益の移転防止に関する法律違反)
お金に困って口座売買する方が後を絶ちません。犯罪になるのはもちろん、売った口座が犯罪に利用されて凍結された場合、その方は再び口座を作ることはできなくなります。また、場合によっては、売った口座以外の口座も凍結されることがあります。凍結されると、振り込まれた給与や年金も下ろせなくなります。口座を売った後、こうした状態になり、困って警察署に電話してくる方が毎日のようにいますが、後の祭りです。どうしようもありません。
また、初めから売る目的で口座を開設すると、キャッシュカードや預金通帳を騙し取ったとする詐欺罪になります。
キャッシュカード及び暗証番号の譲受け
告発事実
犯罪による収益の移転防止に関する法律違反 同法第28条第1項後段
被告発人は、通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、令和6年4月5日午後5時30分頃、東京都国立市国立5丁目1番先路上において、氏名不詳者から、代金5万円で、株式会社三井銀行横浜支店に開設されたヤマガミツヨシ名義の普通預金口座(口座番号1234567)に係るキャッシュカード1枚を譲り受けるとともに、4桁の数字が記載された紙片を譲り受けて同キャッシュカードを利用した預金引き出し等に必要な暗証番号の提供を受けたものである。
キャッシュカード及び暗証番号の譲渡し
告発事実
犯罪による収益の移転防止に関する法律違反 同法第28条第2項後段
被告発人は、通常の商取引又は金融取引として行われるものであることその他の正当な理由がないのに、令和6年5月7日午後5時0分頃、東京都国立市国立5丁目1番先路上において、氏名不詳者に対し、代金5万円で、株式会社三井銀行横浜支店に開設されたヤマガミツヨシ名義の普通預金口座(口座番号1234567)に係るキャッシュカード1枚を譲渡すとともに、4桁の数字が記載された紙片を譲渡して同キャッシュカードを利用した預金引き出し等に必要な暗証番号の提供したものである。
通帳・キャッシュカード口座開設詐欺
告発事実
刑法第246条第1項 詐欺
被告発人は、開設した自己名義の預金口座を他人に売却して利用させる目的で、銀行から自己名義の預金通帳とキャッシュカードを騙し取ろうと企て、令和6年6月5日午後1時15分頃、埼玉県さいたま市中央区中央1丁目5番6号所在の株式会社明治銀行さいたま支店において、窓口係山本明子(当時25歳)らに対し、真実は開設した自己名義の預金口座を自分では使用する意思なく、かつ、交付を受けた預金通帳とキャッシュカードは他人に譲渡する意図であるのにこれを秘し、自己の氏名等を記載した普通預金口座新規開設申込書を同窓口に提出して、被告訴人名義の口座開設と同口座の預金通帳とキャッシュカードの交付を申し込み、上記山本らをして、被告発人が上記通帳等を譲渡すること無く、自己の用途に用いるものと誤信させ、よって。その頃、同支店内において、同山本から被告訴人名義の預金通帳1通とキャッシュカード1枚の交付を受け、もって、人を欺いて財物を詐取したものである。
淺利 大輔
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。