警察が動いてくれないときの対応策【元刑事が解説】

質問投稿サイトなどを見ると「警察に相談したけど動いてくれない」という投稿が目に付きます。警察が動いてくれないときの対応策について、理由別に挙げてみます。

1.「証拠がない」と言われた場合
警察が動いてくれないときの一番の理由がこれではないでしょうか。例えば「お前をナイフで刺して海に沈めてやる」と口頭で言われた場合、脅迫罪が成立しますが、録音も目撃者もなければ、「証拠はない」ということになってしまいます。もちろん、被害者の供述も立派な証拠ではあるのですが、現実には「それだけでは言った言わないになってしまうので…」と言って、警察は動いてくれない可能性が高いです。
しかし、録音や動画といった直接的な証拠がなくても、間接的な証拠なら集められる可能性があります。例えば、上記の事例であれば、犯人と共通の知人に当たって、過去に犯人から同じような脅し文句を言われた人がいないか探す方法があります。もし見つかれば「令和○年○月○日、東京都三鷹市○○1-2-3で○○○○(犯人)と会ったときに『お前の実家に火着けるぞ』と言われました」などと一筆書いてもらいます。メールでそうした脅しを受けた人がいれば、そのメールを印刷してもらいます。こうした間接証拠が幾つか集められれば、警察としては「こいつはそのうち本当に何かやるかもしれない危険人物だな」となり、何らかのアクションをしてもらえることが期待できます。

2.「事件性がない」と言われた場合
これもよく言われる言葉です。本当に事件性がない(犯罪の構成要件に当てはまらない)ケースであれば、残念ですがあきらめるしかありません。しかし、警察官も人間なので、間違うこともあります。したがって、「事件性がない」と言われた事案でも、よくよく調べれば、犯罪が成立する場合があります。まずは、ご自分が警察に動いてほしい事案内容のキーワード(3~6個程度)検索を行ってください。上手く見つからない場合は、そこに「逮捕」や「書類送検」のワードを足して再度検索してください。運が良ければ、ご自分の事案とそっくりの事件が、過去にどこかの都道府県警で立件された報道記事が出てくるかもしれません。それを印刷して持って行き、担当刑事に「○○県警では、去年、これと全く同じ事案で犯人を逮捕していますよ」と言えば、その刑事は二度と「事件性がない」とは言えないでしょう。
AIに事件性判断を聞くこともできますが、所詮はプログラムでしかないため、間違うこともあります。また、「AIに聞いたら○○罪が成立すると回答されました」と刑事に言ったところで「AIは機械に過ぎないので何の権限も説得力もありません」と言って相手にされないでしょう。その場合は、AIに回答の根拠とした「判例」の回答を求めてください。「昭和58年7月21日最高裁」などの回答をくれるはずなので、「裁判所検索」サイトで判例検索を行い、判決文を印刷して持って行きましょう。判例には非常に強い力がありますので、刑事は黙って受け取るしかないはずです。

3.被害届や告訴状は受理されたが進展がない場合
被害届と告訴状には、決定的な違いがあります。被害届を受理した警察は、刑訴法の規定で、一応の捜査義務を負うのですが、検察庁への送致(送検)義務までは負いません。したがって、受理はしたが、犯人が見つかりそうになかったり、証拠がなかったり、事件性に疑問がある場合などは、捜査を止めて被害届を倉庫にしまって終わりにできます。その被害届は二度と日の目を見ることはありません。一方、告訴状は、受理したならば、警察は捜査義務は当然のこと、検察庁への送致(送検)義務を負います。よって、犯人が見つからなければ、時効近くまで探し続けなければなりません。また、証拠があってもなくても、事件性に疑問があっても、絶対に送致しないとならないのです。ですので、被害届を出したけれど警察に動きがない場合には、追加で告訴状を出せば、警察は嫌でも動かざるを得なくなります。ただし、追加告訴状の受理はものすごくハードルが高いです。
告訴状は受理されたが、進展がない場合、これは基本的に待つしかありません。警察署によっては告訴状が10件も20件も溜まっていることがあり、古い順にやっていかないと時効が来てしまうからです。

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淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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