犯罪被害にあった場合どこの警察署に相談すべき?【元刑事が解説】
犯罪被害にあったり、犯罪を知ったので告発したいといった場合、どこの警察署に相談すべきか悩むケースがあります。事案に応じて行くべき警察署が変わってきますので、解説いたします。
1.発生場所を管轄する警察署
一番の基本は、その事件が発生した場所を管轄する警察署です。窃盗事件なら盗まれた場所、暴行・傷害事件なら殴られたり切られたりした場所、文書偽造・行使事件なら偽造文書が行使された場所、詐欺事件ならお金を騙し取られた場所になります。
詐欺事件で、騙された場所とお金を渡した場所の管轄が異なる場合は、どちらの警察署に行っても大丈夫ですが、どちらかといえば、お金を渡した場所の警察署のほうが優先される傾向があります。
ネット上の名誉毀損・侮辱罪のように、発生場所の概念が存在しない場合は、被害者の住んでいる場所または犯人が住んでいる場所を管轄する警察署になります。
2.移動犯罪の場合
電車や航空機内の痴漢や不同意わいせつなどの場合、被害場所が複数の警察署にまたがることがあります。このような場合、被害者が電車等を降車して通報した駅・空港を管轄する警察署になります。
3.被害者が全国に複数いる場合
これが一番やっかいなケースです。法人や宗教団体による大型詐欺事件などで、被害者が何十人、何百人といて、しかも全国に散らばっているようなケースです。被害者の会が結成されれば、会の代表者がそうした事件に詳しい弁護士を選任して、弁護士に一任するのが一般的です。こうした場合、その弁護士は、その法人または宗教団体の本拠地がある都道府県警本部に相談することになるでしょう。
被害者の数がそこまで多くなく、数人程度の場合、各個人がそれぞれ地元の警察署に相談に行くと、警察側としても動きにくくなります。こうした場合の正解はありませんが、被害者でまとまって犯人が住んでいる場所管轄の警察署または都道府県警本部に相談に行くのが良いかと思います。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
