警察が捜査してくれないときの対応方法5選【元刑事が解説】

「警察に被害届を出したのに捜査してくれない」「告訴状を提出しても受理されなかった」というご相談は少なくありません。
確かに、事件性がなく民事で解決すべき内容であれば警察は動きません。しかし、明らかに犯罪の疑いがあるのに捜査してもらえない場合には、取るべき対応方法があります。ここでは元刑事の視点から、警察が捜査してくれないときの5つの解決策をご紹介します。


方法1.弁護士に相談する【最も確実な手段】

弁護士は法律の専門家です。刑事事件に強い弁護士先生であれば、被害届・告訴状の作成や警察への働きかけも適切に行ってくれます。
特にヤメ検(元検察官)弁護士先生は警察・検察の実務に詳しく、効果的な対応を期待できます。費用はかかりますが、最も現実的かつ確実な方法です。


方法2.議員に相談する【行政を動かす力】

国会議員でなくても、県議会議員や市議会議員の中には「地域の困りごと相談」に積極的な先生がいます。
場合によっては、警察幹部に直接連絡したり、同行して警察署に相談してくれるケースもあります。地元で信頼されている議員に相談することはとても有効です。


方法3.町会長や自治会長、防犯会長に相談する【地域の力を借りる】

地域で起きた事件であれば、町会役員や防犯協会などに相談するのも手段の一つです。地元の防犯活動に関わる人たちは、警察と日常的に連携しているため、地域からの要望として警察に働きかけてもらえる可能性があります。


方法4.他の被害者と一緒に警察へ行く【被害の重大性を示す】

被害者が自分ひとりだと警察も「個人的なトラブル」と判断しがちですが、複数の被害者が存在することで事件性が強調されます。
被害者が2人、3人と増えるほど、警察も無視できなくなり、受理の可能性が高まります。


方法5.マスコミに相談する【社会的注目を利用】

被害内容にニュース性があれば、テレビ・新聞・ネットニュースで取り上げられることもあります。
報道によって世間の注目が集まれば、警察が動かざるを得なくなるケースもあります。実際に「隣家から卵を投げつけられる被害」が報道され、警察が動いた事例もあります。


まとめ:警察が動かないときは「外部の力」を借りる

警察が捜査してくれない場合、諦める必要はありません。

  • 弁護士
  • 議員
  • 地域役員
  • 他の被害者
  • マスコミ

これらの方法を組み合わせることで、警察に動いてもらえる可能性が高まります。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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