告訴・告発の受理・不受理を決めるのは誰?【元刑事が解説】
告訴・告発はどう判断される?警察の「相談簿」と受理・不受理の仕組みを解説
刑事に告訴・告発の相談をすると、必ず内部システムに入力され、「相談簿」と呼ばれる書類が作成されます(※名称は都道府県警によって異なります)。
この相談簿には、以下のような重要事項が記載されます。
- 事件の概要
- 告訴人・被告訴人の人定事項
- 今後の捜査方針や処理予定
つまり、単なるメモではなく、「警察としての正式な判断プロセスの出発点」となる重要書類です。
初回相談での「不受理」と「結了」とは?
初回相談の段階で「事件性なし」と判断された場合、その内容は相談簿に記録され、相談は「結了」扱いとなります。
この「結了」とは、
👉 警察としてその案件をこれ以上扱わないという正式判断
を意味します。
一方で、すぐに判断できない場合は「継続扱い」となり、例えば次のような内容が経過欄に記載されます。
- 「被告訴人の銀行口座を照会して事件性を判断する」
- 「関係者から事情聴取を行う」
このように、追加調査を前提とした対応が取られます。
告訴・告発の受理は誰が決める?警察内部の決裁フロー
告訴・告発の受理・不受理は、担当刑事一人の判断では決まりません。特に警視庁の警察署では、以下のような厳格な決裁ルートを経ます。
- 係長(警部補)
- 刑事課長代理(警部)
- 刑事課長(警部または警視)
- 副署長(警視)
- 署長(警視または警視正)
このように複数の幹部によるチェックを受け、最終的に署長の判断で決定されます。
判断は途中で変わることもある
実務上は、次のように判断が覆るケースもあります。
不受理 → 継続捜査に変更
担当者が「不受理」と判断しても、上司から
「もう少し調べてから判断すべき」
と指示され、継続扱いになることがあります。
受理判断 → 保留になるケース
逆に「受理」と判断した場合でも、
「証拠が不十分なので追加資料を確認してから」
とされ、一旦保留になることもあります。
不受理が覆らない理由|署長決裁の重み
最終的に「不受理」とされ、相談簿の結了決裁が通った場合、
それは単なる担当者の判断ではなく、
👉 警察署長が認定した“警察署としての公式判断”
となります。
そのため、
- 抗議
- 再相談
- 担当者への不満表明
などを行っても、判断が覆る可能性は極めて低いのが実情です。
まとめ|告訴・告発の受理を左右するポイント
- 告訴・告発は「相談簿」に記録され正式に審査される
- 受理・不受理は複数の警察官+署長決裁で決定
- 一度「結了」とされた案件の覆しは非常に困難
- 初回相談時の資料・証拠の充実が極めて重要
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


