ポリグラフ(通称うそ発見器)検査について【元刑事が解説】
警察の取調べでポリグラフ検査が行われることがあります。一般には「うそ発見器」と呼ばれることが多いですが、実際には“うそを見抜く機械”ではありません。
ポリグラフ検査とは、事件に関する特定の情報に対して、被疑者の生理的反応(発汗、脈拍、呼吸など)が変化するかを調べる捜査手法です。つまり、「うそをついているか」を直接判定するのではなく、「事件の重要情報を知っている可能性があるか」を確認するための検査なのです。
ポリグラフ検査は誰が行うのか?
警察のポリグラフ検査は、通常、科学捜査研究所(科捜研)の職員が実施します。実施者は警察官ではなく、科学的な分析を担当する専門職員です。
検査前には、事件を担当する刑事と科捜研職員が打ち合わせを行い、犯人や捜査関係者しか知らない事件のキーワードを選定します。この情報をもとに質問項目を作成し、被疑者の反応を測定します。
ポリグラフ検査の具体的な方法
例えば、殺人事件の凶器が「アイスピック」だったとします。
被疑者に対して、次のような複数の選択肢を読み上げます。
- 包丁
- ロープ
- アイスピック
もし被疑者が真犯人であれば、実際の凶器である「アイスピック」を聞いた瞬間に、発汗、心拍数、呼吸パターンの変化などの生理反応が現れる可能性があります。
同じ方法で、以下のような情報についても確認します。
- 犯行日時
- 犯行時間帯
- 侵入経路
- 逃走方向
- 逃走手段
このように、複数の事件関連キーワードに反応が集中した場合、事件への関与が疑われる材料の一つになります。
ポリグラフ検査は強制ではない
ポリグラフ検査は、任意の捜査協力です。
警察が一方的に強制できるものではなく、事前に被疑者へ検査内容の説明を行い、同意書への署名を求めます。同意しなければ検査は実施されません。
この点は、「警察が勝手にうそ発見器を使う」というイメージとは大きく異なります。
ポリグラフ検査で自白につながることもある
真犯人の場合、検査中に自分が特定のキーワードに強く反応していることを自覚し、心理的に動揺することがあります。
そのため、捜査現場ではポリグラフ検査後の取調べが重要とされることもあります。動揺しているタイミングで事情聴取を進めることで、供述の変化が見られる場合があるからです。
ただし、人によって緊張の仕方や生理反応には大きな個人差があります。犯人であっても明確な反応が出ないこともあれば、無実でも緊張で反応が出る可能性があります。
ポリグラフ検査の結果は裁判の証拠になるのか?
結論から言うと、ポリグラフ検査は補助的な捜査手法であり、それ自体が決定的証拠になるわけではありません。
あくまで捜査の方向性を判断するための参考資料として扱われるもので、犯人かどうかを機械が断定するものではありません。
「うそ発見器」という呼び方から万能な印象を持たれがちですが、実際の警察捜査では、ポリグラフ検査は数ある捜査手法の一つに過ぎないのです。
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淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
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