ポリグラフ(通称うそ発見器)検査について【元刑事が解説】
警察で、被疑者を取調べる際に、ポリグラフ検査を行うことがあります。これはよく「うそ発見器」と言われることがありますが、実際にはうそを発見するための検査ではありません。事件に関連するキーワードを準備しておいて、それを聞いたときの被疑者の反応を見るためのものです。
実際の検査は、科学捜査研究所の所員(非警察官)が行います。事前に、事件担当刑事と事件概要についての情報交換を行い、犯人と捜査員しか知らないキーワードを幾つか準備します。検査は、あくまでも任意であり、被疑者には事前に説明して、検査同意書に署名を求めます。署名しなければやりません。
例えば殺人事件で凶器がアイスピックだった場合、1.包丁 2.ロープ 3.アイスピックと聞いて、アイスピックと聞いた瞬間に発汗や動悸があれば「怪しい」ということになります。同様に、犯行日や犯行時間帯、侵入場所、逃走方向、逃走手段などについても質問し、多数の犯行関連キーワードに反応があれば、犯人性が高いということになります。
もし、真犯人であれば、検査を受けながら自分が関連キーワードに反応してしまっていることに自ら気付くことが多く、動揺しているうちに即座に取調べに移ることが重要とされています。しかし、反応の出方は個人差が大きく、犯人だからといって明白な検査結果が出るとは限らず、白か黒か迷う、グレーな結果となることもあります。
なお、ポリグラフ検査はあくまでも取調べの補助的な捜査手法であり、検査結果が裁判所に証拠として提出されることはありません。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
