告訴と告発が混在する場合の告訴状・告発状の書き方【元刑事が解説】

 例えば、医師免許のない偽医師が、患者に「医者です」と言って騙し、医業(治療行為)を行い、治療費を受け取った場合、医師法違反と詐欺罪の両方の犯罪が成立します。このように、一つの行為が二つ以上の犯罪(法令違反)に該当することを「観念競合」と言い、重いほうの罰則が適用されます(本件の場合は詐欺罪の10年以下の懲役)。
 詐欺罪は被害者のある犯罪ですので、被害者が犯人の処罰を求める場合は「告訴状」を提出することになります。しかし、医師法違反は形式犯であり、被害者不在の犯罪なので、犯人の処罰を求める場合は、「告発状」を提出することになります。このような場合、被害者が訴え出る際、詐欺の告訴状1通と医師法違反の告発状1通と計2通作るのか、両罪をまとめて1通にするかが問題となります。
 このようなケースの対応については、刑事訴訟法にも犯罪捜査規範にも記載が無く、2通作るか1通にするかの正解はないと思われます。ですが、2通にするのはあまり現実的ではなく、両方を記載して1通にまとめたほうが合理的だと思われます。書類のタイトルについては「告訴状」だけでよく、当事者欄への記載も「告訴人」「被告訴人」だけでいいでしょう。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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