警察官の宿直勤務は眠れません【元刑事が解説】
子どもの頃、NHK教育テレビで「はたらくおじさん」という番組をやっていてよく観ていました。その中で消防士の仕事を紹介した回があり、こんなシーンがずっと記憶に残っていました。消防隊員たちが深夜、休憩室の布団でぐっすり寝ていて、そこに非常ベルの音が鳴ると、全員飛び起きて吹き抜けの床にある棒をスルスル伝って1階に降り、消防車で現場に行くというシーンでした。なぜか私は、警察も同じなんだろうと勝手に記憶に擦り込んでしまったのです。
実際に警察官になって、自分の勝手な思い込みが完全に間違っていたことを知りました。警察官は外勤も内勤も基本的に宿直勤務時の深夜は起きています。勤務制度上は、深夜帯は交互に休憩を取って仮眠できるようになってはいるのですが、110番や電話や来所者が次々入ってくるので休憩できないのです。雨の日などで、比較的通報が少ない日に「今日は寝ても大丈夫かな」と思って休憩室で横になっていても「淺利係長~、ケンカ傷害でゲンタイ(現行犯逮捕)入りました~」「淺利係長~、変死入りました~」などと呼ばれてすぐに起こされることが度々なので、自席の机でうつらうつらしたほうがマシとなるのです。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
