警察官の経費節約意識【元警察官が解説】
私は、民間企業で約4年間働いてから警視庁に入りました。民間との制度や職員意識の違いにはいろいろと驚かされましたが、その一つにタイトルに書いた「経費節約意識」があります。民間の場合、会社の利益低下は社員全員の給与に影響しますから、ほとんどの社員が経費の節約意識を持っています。誰もいない部屋の電気やエアコンは小まめに消しますし、洗車や掃除をするときに水を出しっぱなしにもしません。メモ紙には余ったチラシの裏面を使います。
警察はどうかと言いますと、全体的に節約意識が低いです。部屋に誰もいなくても電気・エアコンが付けっぱなしは当たり前ですし、パトカーを洗車するときは水は出しっぱなしです。コピー用紙は、500枚入りの梱包されたものを踏み台代わりにしたりします。汚れたり濡れたりするのでコピー用紙としては使えなくなります。
警視庁では、職員による各種事故(飲酒事故、不倫、交通事故など)を防止するために、何年かに1度、職員向けの教養ビデオDVDを制作します。外部委託でプロの俳優が演技して撮影するものなので、制作費は何百万円とかかっているはずです。おそらく神奈川県警、大阪府警、京都府警といった大き目の県警でも同様のものを制作していると思います。これって、警察庁が1本制作して全都道府県警に配布すれば、費用は何十分の一になるかと思います。各都道府県警ごとに制作する意味は全くありません。
制服も無駄があります。警察署や交番で勤務する「お巡りさん」の制服はエンブレムが違うだけで、各都道府県警で同じものです。しかし、テレビニュースの事故や災害現場で出てくる、鑑識係員、交通事故処理に当たる交通捜査係員、白バイ隊員などの制服は都道府県警ごとに異なります。お巡りさんの制服同様、全国で統一すればスケールメリットで安く作ることができるはずです。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
