警察にノルマはある?【元刑事が解説】
「警察官にもノルマがあるのか?」
これはよく聞かれる質問です。結論から言えば、警察官には仕事の成果を数値で評価する『実績』制度があり、目標件数も設定されています。 ただし、民間企業の営業職のように「未達なら給料が減る」という単純なノルマとは少し違います。
今回は、元警察官の経験をもとに、交番勤務員やパトカー乗務員、刑事などにおける実績評価の実態を解説します。
交番勤務やパトカー勤務の警察官には実績順位がある
交番勤務員やパトカー乗務員などの外勤警察官(地域課、自動車警ら隊など)には、毎月の「実績」があります。
この実績は課内で集計され、1位から最下位まで順位が発表されることもあります。
イメージとしては、民間企業で営業マンの売上ランキングが毎月発表されるのに近いものです。
評価対象になる主な項目は次のとおりです。
- 犯罪の検挙件数
- 交通違反の取締件数
- 巡回連絡の実施件数
- 職務質問による犯罪発見件数
中でも高く評価されるのが、職務質問による薬物犯罪や銃器犯罪の検挙です。
なぜなら、すでに被害届が出ている事件を解決するより、職務質問によって新たな犯罪を発見するほうが、警察の検挙実績として大きく評価されるからです。
警察署ごとにも検挙率や実績評価がある
実績評価は個人だけではありません。
各都道府県警では、警察署ごとの検挙件数や検挙率も比較・評価されます。
この結果は署長をはじめとする幹部の評価にも影響するため、現場の警察官に対して次のような指示が強く出ることがあります。
- 泥棒を検挙しろ
- 薬物事犯を摘発しろ
- 交通違反取締を強化しろ
つまり、現場の実績プレッシャーは、組織全体の評価制度ともつながっているのです。
実績は昇任・異動にも影響する
警察官の実績は、単なる数字遊びではありません。
実際には次のような人事評価にも影響します。
- 昇任試験での評価
- 昇給
- 内勤部署への異動
- 警察本部(本庁)への異動
- 希望部署への配置
そのため、多くの警察官が職務質問や交通違反取締に積極的になるのは自然なことです。
また、
- 職務質問○件
- 交通違反取締○件
- 巡回連絡○件
といった具体的な目標数が示されることもあります。
刑事など内勤警察官にも目標件数はある
「実績重視なのは交番勤務だけでは?」と思われるかもしれませんが、刑事などの内勤部署にも目標設定はあります。
例えば刑事課では、
- 殺人
- 強盗
- 性犯罪
- 特殊詐欺
- 侵入窃盗(空き巣、出店荒らし等)
といった重点犯罪について、部署単位で目標件数が設定されることがあります。
さらに知能犯係では、
告訴・告発事件の処理件数(送致件数)
が目標になることもあります。
鑑識にも実績目標がある
意外かもしれませんが、鑑識係にも評価指標があります。
代表的なのが、
被疑者の指紋採取率・写真採取率
です。
逮捕された被疑者については、刑事訴訟法に基づいて指紋や写真を採取できます。
しかし、任意捜査の被疑者については強制できないため、本人を説得して同意を得る必要があります。
そのため、鑑識係の努力も実績として評価対象になるのです。
警察官の実績は「ノルマ」と言えるのか?
ここが一番気になるポイントでしょう。
確かに警察官には目標件数があり、順位も発表され、人事評価にも影響します。
その意味では、一般の人から見れば「ノルマがある」と感じるかもしれません。
しかし一方で、民間企業の営業ノルマのように、
未達成だから直接給与が減る
という仕組みではありません。
そのため、
「警察官にノルマはあるのか?」という問いに対しては、『実績目標はあるが、一般的な意味でのノルマとは違う』
というのが実態に近いでしょう。
○警察への告訴状・告発状の作成は元警視庁刑事の行政書士にお任せください。こちら
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


