現役刑事がNシステムで捕まった話【元警視庁刑事のコラム】

 警察にはNシステムという自動車ナンバー自動読み取り装置があります。公然の秘密というやつです。このNシステムですが、一番多く使われるのは、盗難車両(盗難ナンバー)手配です。自動車そのものやナンバープレートだけが盗難にあった場合、警察に届けるとすぐにこのNシステムに登録されて全国手配されます。ある23区内の警察署で刑事をやっていたときに、この手配で1台の車が見つかり、地域課のお巡りさんが捕まえてきてくれました。運転手に事情を聞いたところ、事件性のないことが判明しました。被害者に連絡すると、家まで乗ってきてほしいとのことだったので、私が運転してもう1台の捜査用車両と一緒に都内の被害者宅へ向かいました。途中、普段より制服の警察官が多いなあと思っていたら、その中の何人かが、私の運転している車のほうを指さすのが見えました。私は、何だろうと思いながら、目の前の信号が赤になったので止まったところ、回りにいた警察官がすごい勢いで走ってきてガンガンガラスを叩いて「開けろ!」と怒鳴っています。私はポカンとしながらガラスを開け、警察手帳を示したところ、今度は止めた警察官がポカンとしています。私が「○○署の刑事ですが、何かありました?」と聞くと、その警察官が「Nヒット車両で止めたんですけど・・・」と言いました。そこでやっと気付きました。署を出発する前に盗難車両手配の解除を忘れていたのです。手配車両を追いかけたり、止めたりしたことは何度もありましたが、自分が止められたのはこの1回だけです。まあ、あまりいい気持ちはしませんでしたね。

以降はAI修正版(内容は同じです)
【現役刑事が体験】Nシステムでまさかの誤認逮捕!?盗難車両手配ミスの実態

警察には**「Nシステム」という自動車ナンバー自動読み取り装置が存在します。これは公然の秘密とも言われ、特に盗難車両(盗難ナンバー)**の発見に多用されるシステムです。

Nシステムとは?盗難車両の全国手配に活用される警察の秘密兵器

Nシステムは、盗難車両や指名手配車両のナンバープレートを自動で検知し、警察に通知する仕組みです。車両が盗難被害に遭い届け出があると、全国のNシステムに登録され、どこで走っていても即座に警察が追跡できるようになります。

ある日、刑事の私がNシステムで捕まる!?

私は23区内のある警察署で刑事をしていたとき、盗難車両の手配によって1台の車を発見。地域課の警察官が車両を確保し、運転手に事情を聞いたところ、事件性はありませんでした。

そこで、被害者に連絡すると「家まで車を運んでほしい」との要望があったため、私が運転して被害者宅へ向かいました。もう1台の捜査用車両と一緒に都内を走行していたところ、異変を感じました。

「なんだか警察官が多いな…?」

さらに、その警察官たちが私の運転する車を指さしているのが見えました。何か嫌な予感がしつつ、信号待ちで停車すると――

🚨 突然、警察官が猛ダッシュで車に駆け寄り、窓を叩いて「開けろ!」と怒鳴られたのです!

驚きながら窓を開け、警察手帳を示すと、今度は警察官がポカンとした表情に。

「○○署の刑事ですが、何かありました?」と尋ねると、彼らは困惑しながら、

Nヒット車両で止めたんですけど…

そう言われた瞬間、私はすべてを理解しました。

手配解除ミスが招いた前代未聞の事件

なんと、私は署を出る前に盗難車両手配の解除を忘れていたのです。
その結果、Nシステムに「盗難車両」として登録されたまま走行しており、警察官に取り囲まれてしまいました。

普段は盗難車両を追いかけ、確保する側の立場でしたが、まさか自分がNシステムに捕まるとは…。

この経験から、私は手配解除の確認を徹底するようになりました。

Nシステムの重要性と警察の現場のリアル

このエピソードから分かるように、Nシステムは犯罪捜査において非常に有効なツールですが、運用ミスがあると意外なトラブルを引き起こすこともあります。

盗難車両や指名手配車両の発見に役立つNシステム。日々、多くの警察官がこれを活用し、犯罪を防いでいるのです。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

Profile Picture