警察官の昇任制度とは?【元警視庁刑事のコラム】
警察官には階級があり、巡査長を除くすべての昇任には原則として試験に合格する必要があります。巡査部長から警部までの各階級への昇任は、昇任試験の結果に基づいて決定されます。ただし、所属の推薦制度や功績により、試験なしで昇任するケースもあります。
昇任の特例とは?
過去には、オウム真理教事件において指名手配犯の逮捕に貢献した警察官が特例で昇任した例がありました。また、警視庁警護課の巡査部長が国会議員と結婚した際、見劣りしないように警部補に昇任したケースもあります。
昇任試験の流れ
昇任試験は年に1回実施されます。
- 一次試験(マークシート方式)
- 警察業務や法令に関する問題(約80%)
- 憲法、民法、時事問題、一般常識(約20%)
- 合格発表:試験後1週間~10日
- 二次試験(マークシート+論文)
- 実施:一次試験合格後、10日~2週間後
- 合格発表:試験後2~3週間後
- 三次試験(面接・実技)
- 面接、教練、逮捕術、けん銃シミュレーター
- 最終合格発表:試験後1か月後
昇任後の研修
- 巡査部長・警部補:合格後、管区警察学校で約2か月間の研修
- 警部:昇任後に警察大学で研修
警部以上の昇任について
警部以上の昇任には試験がなく、人事考査や実績によって決定されます。地方公務員採用のノンキャリア警察官は、原則として警視長までの昇任が可能とされています。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
