警察官とメシ
警察官は食べることが大好きです。特に勤務中は他に楽しいことがないので、食事の時間だけが唯一の楽しみなのです。2000年代くらいまでは、刑事は当番(宿直)勤務の際は、朝から炊事場で食事担当のデカさんがひたすらメシを作るのが普通でした。近所のスーパーに行って肉やらネギやらを買ってきてひたすら料理を作ります。万引きの逮捕があろうが、変死があろうが、調理担当デカさんは動じません。何かに取り付かれたように料理作りを止めません。メニューはといえば、うどんかカレーです。これ以外はほぼありません。そして、警察官のメシの特徴はその量です。どんなに美味しくても量が少なかったら全く評価されません。うどん汁でもカレーでも、相撲部屋で使うような大きな鍋いっぱいに作ります。もちろん、その道何十年のベテランデカさんが作るので味もなかなかのものです。
刑事だと日勤の昼メシは外食です。警察官に人気があってよく行く店には特徴があります。一番大事なのは量です。味はその次です。ラーメン、蕎麦、うどんと麺類が多いです。間違っても若い女性が好きそうな、お上品でおしゃれで量が少ない店には絶対に行きません。都内だとラーメンは丸長、大勝軒、蕎麦は角満、矢打、うどんは子安(正式名ふたばや)などが昔から人気があります。店によっては、中に入ると私服の警察官だらけなんてこともありました。私服員でも刑事は普段から質屋回りとか防カメ回収とかで外に出ることが多いので昼メシを店で食べることが多いのですが、同じ私服員でも生活安全課員は許認可業務があって簡単には外に出られないので気の毒です。
他県に出張となると、夜はどこで飲んで何を食べるかが仕事の話しよりも重要です。地元の人は、聞けば美味しい店を教えてくれるのが普通なのですが、岐阜に銀行捜査に行ったとき、案内役の銀行員の人に、「岐阜で美味しいものは何ですか」と聞いたら真顔で「ないですね」と言われたときには参りました。
淺利 大輔
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。