警察と消防の違いを徹底解説!組織、権限、仕事内容、キャリアパスまで【元警視庁刑事のコラム】

 戦前は同じ組織だった警察と消防。現在は全く異なる組織です。組織体制、権限、仕事内容、キャリアパスなど、一般的には似ていると思われがちな両者の違いを徹底的に解説します。

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戦前は同じ組織だった警察と消防。戦後、GHQの指令により分離され、現在は全く異なる組織となりました。その仕事内容は、一般的には似ていると思われがちですが、実際は組織体制も含め、かなり異なります。本記事では、警察と消防の違いを7つの項目に分けて徹底的に解説します。

1. 組織体制の違い

  • 警察:
    • 都道府県警察は、各都道府県単位の組織です。
  • 消防:
    • 東京消防庁は、警視庁と同じく東京都の組織(伊豆七島除く)です。
    • 東京消防庁以外の消防組織は、市町村単位です。したがって東京消防庁の職員は都内での異動がありますが、他の消防組織はその市町村内での異動しかありません。

2. 権限の違い

  • 警察:
    • 事件の捜査、逮捕状や捜索差押許可状の請求、被疑者の逮捕、検察庁への送致など、広範な捜査権と送致権を持ちます。
  • 消防:
    • 捜査権や送致権は一切ありません。
    • 消防法違反を認知した場合は、警察に告発し、警察が捜査、検察庁へ送致します。
    • 放火事件が発生した場合も同様に、捜査権がないため、張り込みや聞き込みなどの捜査は行うことはありません。

3. 仕事内容の違い

  • 警察:
    • 事件の捜査、被疑者の逮捕、被害者対応、交通取り締まり、各種許認可業務など、多岐にわたる業務を行います。
    • 事件や事故があれば、夜勤明けでも残業が多く、夜中まで帰れないこともあります。
  • 消防:
    • 火災の消火活動、救急活動、災害対応など、現場での活動が中心です。
    • 火災後の原因調査は警察と協力して行いますが、基本的には現場での活動が終了すれば業務は完了します。
    • 基本的には朝9時には業務が終了することが多いです。

4. キャリアパスの違い

  • 警察:
    • 警察官として20年勤務すると、無試験で行政書士の資格が得られます(書類審査あり)。
  • 消防:
    • 一部部署の経験者を除き、行政書士の資格を得るための書類審査が通りません。

5. 装備の違い

  • 警察:
    • 拳銃、警棒、警杖、催涙スプレー、盾など、武器を携行します。
  • 消防:
    • 武器は一切携行しません。

6. 来訪者数の違い

  • 警察署:
    • 運転免許の更新・記載事項変更、道路使用許可申請、古物商等各種許認可申請、被害届の提出、落とし物関係、各種相談など、多くの来訪者が訪れます。
  • 消防署:
    • 来訪者は警察に比べると極めて少ないです。

7. 訓練量の違い

  • 警察:
    • 柔道、剣道、逮捕術、合気道などの訓練がありますが、基本的には勤務時間外に行われます。
  • 消防:
    • 勤務時間中は訓練に多くの時間を費やします。

まとめ:

警察と消防は、組織体制、権限、仕事内容、キャリアパスなど、多くの点で異なります。それぞれの役割を理解することで、より深く社会の安全について考えることができるでしょう。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。

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