刑事の給料【元警視庁刑事のコラム】

 刑事の給料は、交番勤務のお巡りさんよりいいです。理由は、超過勤務手当(民間でいう残業代)が多いからです。特に殺人事件が起きて警察署に特捜本部ができたりすると毎日夜11時くらいまで残業で、土日祝日も出勤となります。消化できなかった週休日は月に2日分まで超過勤務請求できました(今は難しい)。8h×2で16時間です。警察官の時給は30歳代で3000円くらいなので、これだけで4万8000円ただし、支給率は60%くらいなので、実際は28800円となります。さらに祝日に当番(宿直)勤務に当たると、休憩時間を除いた15hが超過勤務になるので、15h×3000円×60%で2万7000円になります。一番多いときで月に120h請求したことがありました。120h×3000円×60%で21万6000円です。一番超過勤務ももらっていた頃は、給料の3割くらいが超過勤務でした。40歳代半ばで年収は1000万円を超え、そこからは下がらなかったですね。
 ただしこれは警視庁の話しです。以前茨城県警の刑事に聞いた話しですが、茨城は警察署の管内に住まなくてはならず、深夜にタクシーの無賃乗車で逮捕なんてことになると、知能犯係長は呼び出しを受けるそうなんですが、予算がないために超過勤務は一円も出ないとのことでした。警視庁の場合は、人がいるので、よほどのことがない限り、警部補以下が夜中に呼び出されることなんかありません(刑事課長や代理はしょっちゅう呼び出されますが)。今はどうなっているかわかりませんが、予算のない地方県警は本当に気の毒です。

【SEO対策後の記事】

刑事の給料は高い?警察官との違いや年収の実態を解説

刑事の給料は、交番勤務の警察官(お巡りさん)よりも高めです。その理由は 「超過勤務手当(残業代)」 の多さにあります。

刑事の給料が高い理由

特に 殺人事件発生時や特捜本部設置時 には、夜11時までの残業や土日祝日の出勤が当たり前になります。そのため、超過勤務手当の割合が大きくなるのです。

  • 超過勤務手当の具体例
    • 週休日の未消化分 → 月に最大16時間分請求可能
    • 祝日の当番(宿直) → 15時間分の超過勤務
    • 最も多い時で月120時間の超過勤務 → 約21万6000円の手当

例:30代警察官の時給

  • 約3,000円 × 超過勤務時間 × 60%(支給率)
  • 月の給料の約3割が超過勤務手当

刑事の年収はどのくらい?

40代半ばで 年収1000万円を超える ケースもあり、その後は安定した給与が期待できます。ただし、これは 警視庁 の話であり、地方警察では状況が異なります。

地方警察と警視庁の違い

例えば 茨城県警 では、刑事は警察署管内に住む必要があり、深夜の事件対応で呼び出されても 超過勤務手当が出ない こともあるそうです。

一方で、警視庁は人員が多いため、刑事課長や代理以外は深夜の呼び出しが少ない という違いもあります。

まとめ:刑事の給料は高いが、勤務状況に差がある

  • 警視庁の刑事は年収1000万円超えも可能
  • 超過勤務手当が多く、月給の約3割を占めることも
  • 地方警察は予算が少なく、手当が出ないこともある

刑事の給与は一見高いですが、その裏には 長時間労働と厳しい勤務環境 があります。地方と都心部での違いも知っておくと、警察官を目指す際の参考になるでしょう。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

Profile Picture