大阪府警の警察署で驚いたこと【元刑事の回想】
大阪府警の警察署には一度だけしか入ったことがありません。ドロップシッピング詐欺被害者の参考人聴取のため、大阪府警H警察署の取調室を借りました。警察署の取調室は、被疑者用と被害者用で分かれていないため、両者共用となります。借りた取調室に入って驚いたのが、スチール製の机の足がガッチリ床にボルトで固定されており(警視庁では固定されていないことが多いです)、さらに取調べ対象者が座る側の机と壁の間隔が30センチあるかないかでした。このときの被害者は妊婦さんだったので、大変申し訳なく、H署員に他の取調室がないかを聞いたのですが、他も全部同じとのことでした。
なぜ、こんなことをするかは同じ警察官としてすぐにわかりました。机を固定して壁との間隔を狭めれば、暴れる被疑者が容易には立てず、拘束用具的に使えるからです。しかし、取調室は被疑者調べだけではなく、被害者や目撃者などの調べにも使われるのですから、警視庁(他の県警も)ではここまで露骨なことはしません。
さらに机の引き出しを開けてまたビックリしました。ボールペンなどの事務用品多数と、将棋の台と駒が入っていました。将棋セットは年季の入ったもので、20年以上前からここにある感じでした。おそらく、休日や夜間はここで刑事同士が将棋をしていたのでしょう。警視庁では(他の多くの県警も)、取調室内には余計な物は一切置いてはいけない決まりになっています。警視庁で、方面本部の監察官が取調室に入って将棋セットを見つければ、その警察署長には何らかのペナルティが与えられます。そもそも私は署内で将棋をしている警察官を見たことがありません。大阪府警恐るべしです。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。
