忙しい警察署とヒマな警察署の差【元警視庁警察官が解説】

 警視庁で忙しい警察署といえばなんと言っても新宿警察署です。1日24時間に入電する110番は多いと200件になることもあります。これは青森県警全体の110番件数に匹敵します。しかも、110番の内容が「5対5の殴り合いのケンカ」「十数人の乱闘」「刃物を使った傷害」など、重大事件となるものが多く、現行犯逮捕はほぼ毎日あります。また、110番以外でも警察署や交番への直接の訴え出や相談なども多くあり、忙しさは半端ではありません。新宿署以外で忙しい署は、他に渋谷署、池袋署、蒲田署、西新井署、綾瀬署、八王子署などがあります。
 一方、ヒマな警察署といえば、南千住署、尾久署、品川署、駒込署などが警視庁内では有名です。南千住署などは、日曜日などでは1日24時間の110番が3件、しかも全部駐車の苦情なんてこともあるくらいです。品川署では、あるとき署長が留置施設を巡視したら、十数人いる被留置人が全員預かり(他署が逮捕した被疑者)で、品川署で逮捕した者がゼロであり、怒って「何でもいいから逮捕して一人くらい入れろ」と言ったという話を聞いたことがあります。署員は総出で職務質問して、外国人のオーバーステイを一人見つけて逮捕し、何とか署長の怒りを収めたそうです。尾久署のヒマさも有名で、この署に異動になった元同僚が「歳取ってから行くと、あまりにも何もないのでマジでボケる」と話していました。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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