東京水上警察署魚釣り事件【元刑事が解説】

 大変古い話で恐縮ですが、1990年頃、当時人気だったスクープ誌「フライデー」にこんな暴露記事が掲載されました。東京水上警察署(現東京湾岸警察署)の警備艇が出港し、しばらく航行した後、東京湾内で停止すると、乗員が釣り竿を持ち出し、釣りを始めたというものでした。その場で数匹の魚を釣り上げると、警察署に寄港したということで、釣りをしている様子などが望遠レンズで撮影されて掲載されてました。これが現代なら、テレビやネットで大きく騒がれ、関係者には何らかの処分が下されることでしょう。しかし、当時はそのような動きはなく、関係者が処分されたとの話も聞きません。おそらく、釣り上げられた魚は、署内で刺身や煮つけに調理され、勤務時間終了後には、署長以下で集まってビールや日本酒での宴会の肴になったことでしょう。湾岸署になる前の、東京水上警察署時代は、お台場地区ができる前であり、管内に陸地がほとんどなく、警視庁23区内の中で一番ヒマな署と言われていました。世間的にも警察を見る目は今ほど厳しくなかったことから、このスクープ記事は一時期騒がれはしましたが、警察を責めるというよりは、皆さん苦笑いして終わったというイメージです。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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