○ 犯罪収益対策推進要領の策定について(通達)(石川)
○ 犯罪収益対策推進要領の策定について(通達)
平成22年5月18日組対甲達第34号等
石川県警察本部長から部課署長あて
対号 平成17年3月24日付け組対甲達第1号、務甲達第45号、生企
甲達第28号、捜一甲達第28号、交企甲達第26号、公甲達第1
1号「石川県警察組織犯罪対策要綱の制定について(通達)」
近年、犯罪による収益の移転に係る手口は巧妙化しており、これに関する事案は
依然として後を絶たない。犯罪組織は、犯罪による収益を移転し、その起源を隠す
ことにより、これを事業活動や将来の犯罪活動に用いている。犯罪による収益が与
える悪影響から健全な経済活動を守り、組織的な犯罪の根絶を図るためには、犯罪
組織の取締りを一層推進するとともに、犯罪による収益の移転を防止し、これをは
く奪することが必要である。
また、テロは、ひとたび発生すれば、膨大な被害をもたらすことから、テロ対策
の要諦はその未然防止にある。そのためには、テロ組織及びテロリストへの資金の
供給を遮断することが必要であり、テロ組織及びテロリストに関する情報収集活動
を一層推進するとともに、国内外のネットワークを通じた資金の流れを監視し、テ
ロ資金の供与を防止することが強く求められている。
今後、県警察が一体的に効果的な犯罪収益対策を推進するため、別添のとおり「犯
罪収益対策推進要領」を策定することとしたので、事務処理上遺憾のないようにさ
れたい。
別添
犯罪収益対策推進要領
第1 目的
この要領は、犯罪による収益(犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成
。
19年法律第22号。以下「法」という )第2条第1項に規定する犯罪による収益
。
をいう。以下同じ )が、組織的な犯罪及びテロリズムを助長するとともに、こ
れを用いた事業活動への干渉が健全な経済活動に重大な悪影響を与えること、及
び犯罪による収益には被害者から不当に得た財産が含まれることにかんがみ、石
川県警察が一体的に犯罪収益対策を推進することにより、犯罪による収益の移転
防止、犯罪組織の弱体化及び壊滅、テロ資金供与の防止等を図るために必要な基
本的事項を定めることを目的とする。
第2 犯罪収益対策の基本姿勢
犯罪収益対策の推進に当たっての基本姿勢は、次のとおりとする。
1 県民の理解の促進
2 犯罪による収益に関する情報の収集
3 犯罪収益関連犯罪(法第11条第1項に規定する罪をいう。以下同じ )の取
締り及び犯罪による収益のはく奪の推進
第3 犯罪収益対策の推進
1 推進体制
。
関係各部門の知見を有する職員により構成され、犯罪収益対策に関し各部門
が実施する施策の総合調整、警察庁から提供される疑わしい取引に関する情報
の受領、疑わしい取引に関する情報の的確な取扱いの確保、犯罪収益関連犯罪
の捜査支援等を担当する犯罪収益解明班において、各部門における犯罪収益関
連犯罪の捜査を推進する。
2 県民の理解の促進
関係機関と連携し、法の内容、犯罪組織等の実態及び犯罪による収益が与え
る健全な経済活動への悪影響に関する知識を普及するなどして犯罪収益対策の
重要性に関する県民の理解を深めるための広報啓発活動を行う。
3 犯罪による収益に関する情報の収集
すべての部門が緊密に連携し、次の情報を収集する。
(1) 犯罪による収益の移転の実態に関する情報
(2) 犯罪収益関連犯罪の検挙に資する情報
(3) (1)及び(2)に掲げるもののほか、犯罪収益対策を効果的に推進するため必
要な情報
4 犯罪収益対策の観点からの取締りの推進
組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成11年法律第13
6号。以下「組織的犯罪処罰法」という 、国際的な協力の下に規制薬物に
。)
係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等
の特例等に関する法律(平成3年法律第94号。以下「麻薬特例法」という )
。
等各種法令を適用し、犯罪組織等の資金源を遮断するため、疑わしい取引に関
する情報を活用した犯罪捜査を推進し、積極的に事件化する。犯罪収益関連犯
、
罪の巧妙化を踏まえ 当該犯罪の事件化に当たっては 不断に創意工夫を図り
、
、
効果的かつ適切な情報収集活動の推進、捜査手法の高度化、関係機関との幅広
い連携に努める。
5 犯罪による収益のはく奪の推進
(1) 没収保全請求等の的確な実施
犯罪収益関連犯罪の捜査に当たっては、単に被疑者の逮捕だけでなく、犯
罪による収益の発見にも努め、これを発見した際には、速やかに、起訴前の
没収保全請求を実施するなど、犯罪による収益の移転を防止するための措置
を的確に実施する。
(2) 検察庁との連携
犯罪による収益の没収又は追徴が的確に図られるよう犯罪による収益のは
く奪について検察庁との緊密な連携を強化する。
(3) その他の手法の活用
組織的犯罪処罰法及び麻薬特例法に基づく措置だけでなく 捜索・差押え
、
、
国税庁への課税通報等を積極的に実施し、あらゆる機会をとらえて犯罪によ
る収益のはく奪に資する措置を講ずるよう努める。
第4 疑わしい取引に関する情報の的確な取扱い
1 保秘の徹底
疑わしい取引に関する情報を活用した取締りを行うに当たっては、被疑者そ
の他の関係者に、当該情報を活用したことが明らかにならないように保秘を徹
底する。
2 漏えい等の防止の徹底
疑わしい取引に関する情報の取扱いに当たっては、石川県警察における情報
(
セキュリティに関する訓令 平成17年石川県警察本部訓令第15号 等に基づき
)
、
当該情報の漏えい、滅失又はき損の防止を図るため必要かつ適切な措置を講ず
る。
3 事件捜査等における取扱い
(略)
第5 表彰
表彰を行うに当たっては、事件検挙に関する功労だけでなく、犯罪による収益
のはく奪に関する功労及び犯罪収益対策のための各種施策の推進に関する功労に
ついても、積極的に考慮するものとする。
淺利 大輔
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。