検察官のした不起訴処分に対する民事訴訟乃至行政訴訟の提起は、わが国法上ゆるされていないことは当裁判所大法廷の判例とする

         主    文
     本件訴を却下する。
     訴訟費用は原告の負担とする。
         事 実 及 理 由
 本件訴状には「告訴、告発に対する、不起訴処分は憲法に適応しない。司法処分
の取消を求む」と記載してあり、更に申立の趣旨として
 「(1)廣島県佐伯郡五日市町警察署司法主任巡査部長D同署書記Eに対しなし
たる業務横領再告発事件を広島地方検察庁F検事が不起訴処分にしたるは違憲であ

 記録には事更に私を誹謗した報告書を提出してゐますが、事実無根な自己保身上
卑劣な偽造公文書であります
 (2)呉市a町字b
 G病院長    H
 同病院専属医師Iに対しなしたる、不法監禁告訴事件を広島地方検察庁呉支部J
検事が不起訴処分にしたるは違憲である
 (3)広島県賀茂郡c町字d町K、同郡同町L、同町字eMに対しなしたる名誉
毀損告訴事件を竹原区検察庁N副検事が不起訴処分にしたるは違憲である
 当初事件発生后関係自治警察署に再參、搜査方を懇願したるも鋭意搜査に着手し
なかつた及各々検察官は自己の公益の代表者である、信念稀薄にして憲法の条規を
も遵守せず
 又、個人の基本的人權をも保証せず一方的な搜査のみにて不起訴処分としたるも
のなり
 それが爲め獨自の搜査に依り物的、人的証拠よりして違法行爲たることが、顯著
であります- 1
 各々の事件は相干連性のあるものにして、一部公務員の共同謀議に依り、発生し
てゐます
 法的にも人道的にも許容出来得ない反社会的行爲でありますと同時に事件の早期
完結を念願して直接貴所に提起した次第であります」
 と記載してあり、右訴状の記載及び原告審訊の結果によれば、原告は本訴を提起
して検察官のした不起訴処分の取消を求めるものであること明白である。しかしな
がら、検察官のした不起訴処分に対する民事訴訟乃至行政訴訟の提起は、わが国法
上ゆるされていないことは当裁判所大法廷の判例とするところであるから(昭和二
七年一二月二四日最高裁判所大法廷判決、判例集六巻一一号一三〇頁参照)本訴は
不適法な訴といわなければならない。そしてその欠缺は補正することができない場
合であるから、民訴二〇二条によりこれを却下すべきものとし訴訟費用の負担につ
いては民訴八九条を適用し、裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。
     最高裁判所第一小法廷
         裁判長裁判官    齋   藤   悠   輔
            裁判官    眞   野       毅
            裁判官    岩   松   三   郎
            裁判官    入   江   俊   郎- 2


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

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