告訴・告発事件取扱要領の制定について【石川県警】
○告訴・告発事件取扱要領の制定について
平成25年5月31日付け刑企甲達第51号、県
相甲達第11号、生企甲達第60号、少甲達第
26号、生還甲達第22号、捜一甲達第26号、
捜二甲達第18号、組対甲達第25号、交指甲
達第46号、公甲達第42号
警察本部長から部課署長あて
告訴・告発事件に関して相談の段階から石川県警察本部において情報を集約し、
一元的に業務管理を行い、告訴・告発事件の適正な受理及び迅速な処理を図ること
を目的として別添のとおり「告訴・告発事件取扱要領」を定め、平成25年7月1
日から実施することとしたので、事務処理上遺憾のないようにされたい。
別添
告訴・告発事件取扱要領
第1目的
告訴・告発に関する届出又は告訴・告発に係る相談(以下「告訴・告発の届出
等」という。)を受理した場合、石川県警察本部(以下「本部」という。)にお
いて情報を集約し、一元的に業務管理を行い、告訴・告発に係る事件の適正な受
理及び迅速な処理を行うため、必要な事項を定めるものとする。
第2準拠
告訴・告発事件の取扱いについては、刑事訴訟法(昭和23年法律第131
号)、犯罪捜査規範(昭和32年国家公安委員会規則第2号)、石川県警察捜査
査指揮規程(平成16年石川県警察本部訓令第14号)及び犯罪事件管理要領
(平成16年7月29日付け捜一甲達第48号、生企甲達第54号、地甲達第6
9号、交企甲達第42号、公甲達第21号)に定めるもののほか、この要領の定
めるところによる。
第3本部告訴・告発センター及び警察署告訴・告発センターの設置
本部刑事企画課に本部告訴・告発センター(以下「本部センター」という。)
を、警察署(以下「署」という。)に署告訴・告発センター(以下「署センタ
ー」という。)を設置する。
第4本部センター、署センター、本部事件主管課及び署事件担当課の連携
1本部センターは、本部事件主管課との連携を密にし、告訴・告発の届出等に
係る情報を集約し、業務の一元的な管理を図るとともに、本部事件主管課を通
じて、署事件担当課(以下「事件担当課」という。)に対し告訴・告発の適正
な受理及び迅速な処理に関して必要な一般的指示及び指導を行う。
2本部センター及び署センター(以下「センター等」という。)の連絡につい
ては、原則として、本部事件主管課を通じて行うこと。
3センター等は、告訴・告発の届出等に関し擬律判断、事件の管轄等について
疑義が生じたときは本部事件主管課の指導を受ける。
第5センター等の構成
1本部センター
(1)本部責任者
本部センターに責任者(以下「本部責任者」という。)を置き、刑事部刑
事企画課長をもって充てる。
(2)本部副責任者
本部センターに副責任者(以下「本部副責任者」という。)を置き、刑事
部刑事企画課刑事企画指導官をもって充てる。
(3)本部事務担当者
本部センターに事務担当者(以下「本部事務担当者」という。)を置き、
刑事部刑事企画課の指導・教養補佐をもって充てる。
(4)本部対応担当者
本部センターに告訴・告発の届出等に対応する担当者(以下「本部対応担
当者」という。)を置き、本部事件主管課の警部の階級にある者の中から本
部事件主管課の長(以下「本部事件主管課長」という。)が指定する者をも
って充てる。
(5)本部対応担当補助者
本部センターに本部対応担当者の補助を行う者(以下「本部対応担当補助
者」という。)を置き、本部事件主管課の警部補の階級にある者の中から本
部事件主管課長が指定する者をもって充てる。
2署センター
(1)署対応責任者
署センターに責任者(以下「署対応責任者」という。)を置き、刑事官を
もって充てる。ただし、刑事官が配置されていない署については刑事課長
(刑事課長兼生活安全課長、生活安全刑事課長を含む。)をもって充てる。
(2)署事務担当者
署センターに事務担当者(以下「署事務担当者」という。)を置き、刑事
課(刑事課兼生活安全課、生活安全刑事課を含む。)の警部補の階級にある
者をもって充てる。ただし、刑事官が配置されている署については刑事第二
課長をもって充てる。
(3)署対応担当者
署センターに告訴・告発の届出等に対応する担当者(以下「署対応担当
者」という。)を置き、事件担当課の警部又は警部補の階級にある者の中か
ら警察署長(以下「署長」という。)が指定する者をもって充てる。
第6本部責任者等の責務
1本部
(1)本部センター
ア本部責任者
(ア)本部責任者は、告訴・告発の適正な受理及び迅速な処理に資するため、
センター等において取り扱った告訴・告発の届出等について、情報の集
約に努め、一元的な業務管理を行う。
(イ)本部責任者は、告訴・告発の届出等がなされた事件に関し適正な受理
及び迅速な処理が図られるよう一般的な指示及び指導を行う。
(ウ)本部責任者は、本部に告訴・告発の届出等があった場合は、本部対応
担当者又は本部対応担当補助者(以下「本部対応担当者等」という。)
をもって、これに対応させ、告訴権の有無、告訴・告発期間、処罰意思
及び犯罪構成要件の充足の有無等の形式的、実質的要件を確認する。
なお、擬律判断に専門的な知識を要し、告訴・告発の受理の可否の判
断が難しいものについては、本部事件主管課の意見を踏まえ判断する。
(エ)本部に対し郵送により告訴・告発の届出等がなされた場合は、告訴人
又は告発人の出頭を求め、本部対応担当者等をもって必要事項を聴取し
た上、受理の可否について判断する。
(オ)本部責任者は、本部センターにおいて受理した告訴・告発の届出等の
処理を行う署及び本部事件主管課を決定し、原則として、本部事件主管
課を通じて、当該届出の処理を行う署センターに事件を引き継ぐ。
(カ)本部責任者は、簿冊を備付け、告訴・告発の届出等の捜査状況等につ
いて把握する。
(キ)本部責任者は、警務部県民支援相談課との緊密な連携を図り、届出人
の立場に立った対応に努める。
イ本部副責任者
(ア)本部副責任者は、本部責任者を補佐し、本部事務担当者及び本部対応
担当者等に対し必要な指示を行う。
(イ)本部副責任者は、センター等及び本部事件主管課における業務の調整
を行う。
ウ本部事務担当者
(ア)本部事務担当者は、本部センターの業務に関する事務の取りまとめを
行い、告訴・告発事件に係る捜査の進捗状況等情報の集約に努め、一元
的な業務管理を図り、告訴・告発の届出等の適正な受理及び迅速な処理
に資するため、適時、本部責任者に報告を行う。
(イ)本部事務担当者は、署センター、本部対応担当者等から本部責任者に
対し報告がなされた告訴・告発の届出等について管理を行う。
エ本部対応担当者
(ア)本部対応担当者は、本部責任者及び本部副責任者を補佐する。
(イ)本部対応担当者は、本部に対し告訴・告発の届出等がなされた場合は、
これに対応する。
(ウ)本部対応担当者は、告訴・告発の届出等に関する経過を記録し、本部
責任者に報告するとともに、本部事件主管課を通じ、当該届出等の処理
を行うと認められる署センターに報告する。
(エ)本部対応担当者は、署センターにおいて受理した告訴・告発の届出等
に関する情報を集約し、本部事務担当者を通じ本部責任者に報告する。
オ本部対応担当補助者
本部対応担当補助者は、本部対応担当者を補助し、本部に告訴・告発の
届出等をする者があったときは、これに対応するとともに、経過を記録し、
本部事件主管課を通じ、当該届出等の処理を行うと認められる署センター
に報告する。
(2)本部事件主管課長
ア本部事件主管課長は、本部対応担当者等を指定し、本部責任者に報告す
る。
イ本部事件主管課長は、センター等と連絡を密にし、告訴・告発の届出等
に関する情報の集約及び報告に努め、本部センターにおいて情報収集が適
切になされるよう配意する。
ウ本部事件主管課長は、告訴・告発の届出等を管理するための簿冊を備付
け、センター等において受理した告訴・告発の届出等で所属において主管
するものについて登載する。
エ本部事件主管課長は、センター等において受理した告訴・告発の届出等
について報告を受け、適切な対応が行われるよう、必要な助言及び指導を
行う。
2署
(1)署長
ア署長は、所属における署対応責任者、署事務担当者及び署対応担当者を
指定し、本部責任者に報告する。
イ署長は、署対応責任者を通じ、署で取り扱った告訴・告発の届出等に関
し告訴・告発の受理の有無及び捜査の進捗状況等を把握し、具体的な指揮
により迅速かつ適切な処理の推進に努める。
(2)署センター
ア署対応責任者
(ア)署対応責任者は、告訴・告発の適正な受理及び迅速な処理を図るため、
署に関係する告訴・告発の届出等について情報を集約し、事件担当課
(係)長に対し、未処理事件の解消等に必要な一般的指示及び指導を行
う。
(イ)署対応責任者は、署に対して告訴・告発の届出等がなされた場合は、
対応担当者をもって、これに対応させ、告訴権の有無、告訴・告発期間、
処罰意思及び犯罪構成要件の充足の有無等の形式的、実質的要件を確認
する。
なお、擬律判断に専門的な知識を要し、告訴・告発の受理の可否の判
断が難しいものについては、本部事件主管課の意見を踏まえ判断する。
(ウ)署対応責任者は、郵送により告訴・告発の届出等がなされた場合は、
告訴人又は告発人の出頭を求め、対応担当者をもって必要事項を聴取し
た上、受理の可否について判断する。
(エ)署対応責任者は、告訴・告発の届出等を管理するため必要な簿冊を備
付け、情報の集約と一元的な業務管理に努める。
(オ)署対応責任者は、署センターにおいて告訴・告発の届出等を受理した
場合は、処理を行う事件担当課を決定し、簿冊に登載の上、本部事件主
管課を通じ、本部センターに報告する。
なお、署において受理した告訴・告発の届出等に関し他の所属で処理
することが適当であると認められる場合は、本部センターを通じて当該
届出等を他の所属に引き継ぐとともに、届出人の理解が得られるように
説明を尽くす。
(カ)署対応責任者は、本部センター又は他の署において受理した告訴・告
発の届出等の送付を受けた場合は、本部事件主管課と連携を図り、適正
な受理及び迅速な処理に努める。
(キ)署対応責任者は、署警察安全相談室(係)との緊密な連携を図り、届
出人の立場に立った対応に努める。
イ署事務担当者
署事務担当者は、署センターの業務に関する事務の取りまとめを行い、
告訴・告発事件に係る捜査の進捗状況等、情報の一元的な集約を図り、告
訴・告発の届出等の適正な受理及び迅速な処理に資するため適時、署対応
責任者に報告する。
ウ署対応担当者
(ア)署対応担当者は、署対応責任者を補佐する。
(イ)署対応担当者は、署に対し告訴・告発の届出等をする者があったとき
はこれに対応する。
(ウ)署対応担当者は、告訴・告発の届出等を受理した場合は、経過を記
録し、署事務担当者を通じ対応責任者に報告する。
(3)事件担当課長
ア事件担当課長は、告訴・告発を受理した場合は、捜査の進捗状況等を指
揮簿に記載し、捜査経過を署長に報告の上、指揮を受ける。
イ事件担当課長は、センター等及び本部事件主管課と連絡を密にし、本部
センターにおける業務管理に漏れがないように配意する。
ウ事件担当課長は、告訴・告発の届出等の受理から、おおむね1か月以内
に告訴・告発の受理の可否について判断を行い、速やかに捜査を遂げるよ
うに努める。
第7届出等に関する捜査
1事件担当課長は、告訴・告発の届出等があった事件の捜査に当たって、事件
の内容、背景を詳細に検討する。
2事件担当課長は、告訴・告発の届出等のあった事件の捜査に当たって、複雑
な事案等で擬律判断に専門的知識を要する事件等については、本部事件主管課
の意見を踏まえた対応を講ずるとともに、必要に応じ検察庁と協議する。
3事件担当課長は、告訴・告発事件受理後、告訴人、関係者等が所在不明その
他の理由で捜査が困難な場合は、可能な限り捜査を遂げ、その経過等を逐次捜
査報告書等により明らかにする。
なお、時効が完成するまでに事件の捜査を遂げることができないときは、検
察庁と協議の上、時効完成までに事件を送付する。
第8事件の引継ぎ
事件担当課長は、捜査主任官及び捜査担当者等の異動に伴う事件引継ぎは、証
拠品とともに、捜査の進捗状況、今後の捜査方針などを明らかにして確実に引継
ぎの上、署長に報告するものとする。
附則
この要領は、平成25年7月1日から施行する。
淺利 大輔
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。