告訴事実の書き方15(逮捕監禁罪)【元刑事が解説】
逮捕罪・監禁罪・逮捕監禁罪の違いとは?それぞれの成立要件を解説
逮捕罪と監禁罪は同じ条文に規定されていますが、犯行の状況によって「逮捕罪」「監禁罪」「逮捕監禁罪」と異なる罪名が適用されます。ここでは、それぞれの違いと成立要件について詳しく解説します。
逮捕罪とは?成立要件と具体例
逮捕罪は、相手の身体の自由を奪う行為を指します。
- 有形力の行使:紐で縛る、手錠をかけるなど
- 無形力の行使:凶器を示して脅す、「警察に動くなと言われている」と騙す など
監禁罪とは?逮捕罪との違い
監禁罪は、被害者が一定の区域から出られないようにする行為を指します。
- 方法は問わない:物理的に閉じ込めるだけでなく、心理的な圧力(脅迫や欺罔)による監禁も成立
逮捕監禁罪とは?両罪が組み合わさるケース
逮捕監禁罪は、逮捕後に引き続き監禁が行われた場合に成立します。たとえば、手錠をかけた後に部屋に閉じ込めるようなケースが該当します。
逮捕・監禁罪と暴行・脅迫の関係
逮捕罪や監禁罪の手段として暴行や脅迫が行われた場合、それらの行為は逮捕・監禁罪に吸収され、別の犯罪とはなりません。ただし、逮捕や監禁とは別に暴行・脅迫が行われた場合は、それぞれの罪が成立します。
告訴事実
刑法第220条 逮捕
被告訴人らは、共謀の上、令和6年5月4日午後5時30分頃、東京都三鷹市西牟礼4丁目5番14号被告訴人前田和夫方において、同前田が告訴人に対し「おまえいつまで待ったら50万円返すんだよ。返すまで縛るから。」と言って、同吉田昭夫と共同して告訴人の両手両足を粘着テープで縛り上げ、約10分間にわたって身動きできない状態にさせ、もって告訴人を不法に逮捕したものである。
告訴事実
刑法第220条 監禁
被告訴人は、告訴人が被告訴人の妻と浮気をしていると思い込み、令和6年3月7日午前8時0分頃、東京都杉並区方南1丁目3番5号先路上において、告訴人に対し刃渡り約10センチメートルの包丁を示しながら、「おまえうちの女房に手出したろ。東京湾沈めるからそこ入れ。」と言って、同所に停車中の黒色乗用自動車(トヨタクラウン、足立ナンバー以下不明)のトランク内を指さした上、告訴人を同トランク内に押し込めてトランクリッドを閉め、同車をすぐに発進させて、同日午後1時0分頃、群馬県館林市東大町3丁目445番地先路上まで走行させ、その間約5時間にわたり、告訴人を同車トランク内に閉じ込めて脱出不能の状況におき、もって告訴人を不法に監禁したものである。
※事例の場合は銃刀法違反にも該当します。
告訴事実
刑法第220条 逮捕監禁
被告訴人吉田功、同近藤守、同小野伸二は、共謀の上、告訴人を逮捕監禁しようと企て、令和5年10月7日午後9時0分頃、東京都港区港南1丁目4番5号先路上において、同吉田が、帰宅途中の告訴人に対し、スタンガンようのものを示しながら、「これでしびれたくなかったら黙って乗れ。」と言って、同所に停車中の黒色ワンボックス車両に中央座席に告訴人を押し込み、同吉田と同小野が告訴人の左右に座ってそれぞれ告訴人の腕を掴んで身動きできない状態にして不法に逮捕し、運転席の同近藤が車両を発進させ、同月8日午前2時0分頃、千葉県成田市西成田4丁目765番地先路上まで走行させ、その間5時間にわたり、告訴人を同車内に閉じ込めて脱出不能の状況におき、もって告訴人を不法に監禁したものである。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


