告訴事実の書き方15(逮捕監禁罪)【元刑事が解説】

 逮捕罪・監禁罪・逮捕監禁罪の違いとは?それぞれの成立要件を解説

逮捕罪と監禁罪は同じ条文に規定されていますが、犯行の状況によって「逮捕罪」「監禁罪」「逮捕監禁罪」と異なる罪名が適用されます。ここでは、それぞれの違いと成立要件について詳しく解説します。

逮捕罪とは?成立要件と具体例

逮捕罪は、相手の身体の自由を奪う行為を指します。

  • 有形力の行使:紐で縛る、手錠をかけるなど
  • 無形力の行使:凶器を示して脅す、「警察に動くなと言われている」と騙す など

監禁罪とは?逮捕罪との違い

監禁罪は、被害者が一定の区域から出られないようにする行為を指します。

  • 方法は問わない:物理的に閉じ込めるだけでなく、心理的な圧力(脅迫や欺罔)による監禁も成立

逮捕監禁罪とは?両罪が組み合わさるケース

逮捕監禁罪は、逮捕後に引き続き監禁が行われた場合に成立します。たとえば、手錠をかけた後に部屋に閉じ込めるようなケースが該当します。

逮捕・監禁罪と暴行・脅迫の関係

逮捕罪や監禁罪の手段として暴行や脅迫が行われた場合、それらの行為は逮捕・監禁罪に吸収され、別の犯罪とはなりません。ただし、逮捕や監禁とは別に暴行・脅迫が行われた場合は、それぞれの罪が成立します。


淺利 大輔

あさり だいすけ

行政書士淺利法務事務所 代表

私は、警視庁警察官として32年間勤務し、そのうち25年間刑事(捜査員)をやってきました。さらにその中でも知能犯捜査関係部署(主として告訴・告発事件を捜査する部署です)の経験が一番長く、数々の告訴・告発事件に携わってきました。刑事部捜査第二課員当時は警視庁本庁舎(霞が関)1階にある聴訴室で、電話帳のように分厚い告訴状や告発状を持参して来られる弁護士先生方を毎日のように相手にし、ここで大いに鍛えられました。
これまでの経験を活かし、告訴事件の相談を受け告訴状をリーズナブルな料金で作成することで、犯罪被害者の方たちを支援できるのではと考えたからです。
「淺利に頼んで良かった」依頼人の方からそう思っていただける行政書士を目指していきます。

Profile Picture