告発事実の書き方17(金融商品取引法)【元刑事が解説】
有価証券報告書虚偽記載
告発事実
金融商品取引法違反 同法第197条第1項、第207条第1号
被告発人株式会社家入不動産販売は、東京都杉並区杉並本町2丁目3番5号に本店を置き、戸建て住宅の建築、販売を主な業務とし、その発行する株式を東京証券取引所第一部に上場していたもの、被告発人山野達也は、同社の代表取締役であったものであるが、同人は、同社の業務に関し、令和6年5月7日、東京都港区港南2丁目88番55号所在の財務省関東財務局において、同財務局長に対し、同社の令和5年4月1日から令和6年3月31日までの連結会計年度につき、同年度に経常損失が2億6500万円発生していたにもかかわらず、売上計上の認められない株式会社HIO不動産に対する架空売上3億5000万円を売上高に含めるなどして経常利益を1億1000万円として記載した内容虚偽の連結損益計算書を掲載した有価証券報告書を提出し、もって重要な事項につき虚偽記載のある有価証券報告書を提出したものである。
風説の流布
告発事実
金融商品取引法違反 同法第197条第1項第5号、第158条
被告発人は、コンピュータソフトの開発と販売を主たる営業目的とし、東京証券取引所に上場している株式会社HyperAIの代表取締役であったものであるが、同社の株式の株価を高騰させる目的で、令和6年5月7日、東京都杉並区杉並本町2丁目3番5号所在の同社本社において、NHK等マスコミ関係者に対し、「当社は、これまでのAIと比較して1000倍の速度と1万倍の情報解析能力を持つ次世代生成AIの実用化に成功しました。」などと発表し、真実はそのようなAIの開発に成功していないにもかかわらず、前記発表にかかる事実は虚偽であることを知りつつ、有価証券の相場の変動を図る目的で風説を流布したものである。
相場操縦
告発事実
金融商品取引法違反 同法第159条第1項第1号第2号、第197条第1項第1号、第207条第1項第1号
被告発人馬場栄一郎は、東京証券取引所の開設する有価証券市場に上場されている有価証券である新日本アメリヤ株式会社の株について、その株価の高値形成を図ろうと企て、同株の売買を誘因する目的をもって、令和6年5月7日から同年6月1日までの間、前後19取引日にわたり、同市場において、別添1「買付状況表」欄記載のとおり、同馬場名義で、横谷証券株式会社ほか4社の証券会社を介して、連続した注文を行って高値で買い上げるなどの方法により、同株合計20万株を買い付け、さらに、別添2「買付委託状況表」欄のとおり、同馬場名義で三谷証券株式会社ほか2社を介して、買注文を大量に入れるなどの方法により、同株合計20万株の買付の委託を行い、同株の株価を不当に5万円から8万5000円まで高騰させ、もって同株の売買が繁盛していると誤解させ、かつ、同市場の同株の相場を変動させる株売買とその委託をするとともに、同株の売買が繁盛していると他人に誤解を生じさせる目的で、同期間中、3取引日にわたり、同市場において、別添3「売買状況表」記載のとおり、同株合計20万株について、横谷証券株式会社ほか4社の証券会社を介して、同馬場名義で売り付けると同時に別途買付け、もって、権利の移転を目的としない仮装の株売買をしたものである。
※別添表略。
インサイダー取引
告発事実
金融商品取引法違反 同法第197条の2第13号、第166条第1項第1号
被告発人は、東京証券取引所市場第一部に上場する株式会社新瀬戸内食品の取締役であったものであるが、令和6年5月7日に開催された取締役会において、同社が極度の経営難から、東京地方裁判所に民事再生手続の申し立てを行う決議を行ったことを知り、同社の業務について重要事項である同手続の公表により同社の株価が下落する前に、自己が所有する同社株1000株を売却して損失を回避しようと企て、法定の除外事由がないのに、前記重要事実の公表前である同月8日、親好証券株式会社を介して、東京証券取引所において、自己所有の株式会社新瀬戸内食品の株1000株を売りつけ、もって同社の業務に関する重要事実が公表される前に同社株の売買を行ったものである。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


