告訴事実の書き方31(放火罪)【元刑事が解説】
放火罪は、火災を引き起こす行為に関連する罪であり、刑法第108条から第118条までの11条にわたる規定が存在します。これには現住建築物等放火罪、非現住建造物等放火罪、建造物等以外放火罪、そして失火罪などが含まれます。
放火は「公共危険罪」の一つとして分類され、火が勢いを増すと周囲に大きな危険をもたらします。火災が広がることで多数の建物を焼損する恐れがあり、そのため、放火罪の罰則は非常に厳しく設定されています。特に、現住建造物等放火罪の場合、罰則は死刑、無期懲役、または5年以上の懲役となり、殺人罪と同様の重い刑罰が課せられることになります。
放火罪の種類と罰則の詳細
失火罪 - 過失による火災発生についての規定で、刑罰は軽度である場合が多いです。
現住建築物等放火罪 - 最も重い罰則が適用され、死刑や無期懲役が科せられることがあります。
非現住建造物等放火罪 - 刑罰は軽減される場合がありますが、依然として重大な犯罪として扱われます。
建造物等以外放火罪 - 車両やその他の物品への放火について規定されています。
現住建造物等放火罪の告訴事実記載例です。
告訴事実
刑法第108条 現住建造物等放火
被告訴人は、令和6年3月4日午後10時10分頃、東京都文京区湯島西1丁目2番4号被告訴人方前路上において、告訴人から被告訴人宅内のテレビの音量について注意を受けたことに憤慨し、告訴人方住居に放火しようと企て、同日午後11時0分頃、同区湯島西1丁目2番5号告訴人方住居玄関ドア付近に灯油をまいた上、ライターで点火して放火し、その火を同住居全体に燃え移らせ、よって、現に告訴人らが住居に使用している木造瓦葺家屋1棟(床面積合計約105平方メートル)を全焼させて、これを焼損したものである。
建造物等以外放火罪の告訴事実記載例です。
告訴事実
刑法第110条第1項
被告訴人は、令和6年3月4日午後6時0分頃、東京都文京区湯島東1丁目4番5号セブンマート湯島店において、つけ払いの商品購入を断れたことに憤慨し、同店が配達用に使用している軽自動車を焼損しようと決意し、同日午後6時30分頃、同店から約2メートル離れた場所に駐車していた同店所有に係る軽自動車(スズキ、エブリイ、練馬40は1234、時価30万円相当)の運転席窓ガラス付近に灯油をかけた上、ライターで点火して同車に放火し、よって、同車全体を炎上させてこれを焼損させ、そのまま放置すれば、同店及びこれに隣接した建造物に延焼するおそれのある危険な状態を発生させ、もって公共の危険を生じさせたものである。
建造物等失火罪の告訴事実記載例です。
告訴事実
刑法第116条第1項 建造物等失火
被告訴人は、令和6年3月4日午後6時30分頃、東京都文京区湯島東3丁目4番5号所在のホテル湯島107号室内において、喫煙した後は吸い殻の火を確実に消した上で灰皿等に捨てるなど失火の危険のないように処置すべき注意義務があるのにこれを怠り、吸い終わったたばこの火を消さずにそのまま同室内のゴミ入れに投棄し、同室を出て外出した過失により、同日午後7時0分頃、同たばこの火から同室内に燃え移らせてこれを全焼させ、もって、これを焼損したものである。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


