告訴事実の書き方19(不動産侵奪罪)【元刑事が解説】
不動産侵奪罪は、窃盗罪と同様に刑法第235条に規定された犯罪であり、通称「土地の事実上の窃盗」と呼ばれます。この犯罪は、土地の所有権が法務局への登記によって移転されることに関連しません。侵奪罪の処罰対象となる行為は、土地の所有者の承諾なしに勝手に土地を物理的に占有することです。
不動産侵奪罪の行為例
一般的に、不動産侵奪罪に該当する行為は、空き地に建造物を建てることや、大量の建築残土を積み上げることです。これらは、土地の所有者の承諾なしに行われるため、違法とみなされます。
賃貸物件の占有は不動産侵奪罪に該当しない
なお、賃貸物件において賃貸契約終了後に居座り続ける行為は、不動産侵奪罪には該当しません。この場合、別の法律が適用される可能性があります。
不動産侵奪罪の未遂規定
不動産侵奪罪には未遂規定もあります。つまり、実際に土地を占有しなくても、占有しようと試みた段階で罪が成立することがあります。
他人の土地に勝手に車庫を建てた場合の告訴事実記載例です。
告訴事実
刑法第235条の2 不動産侵奪
被告訴人は、令和6年2月3日頃、東京都八王子市北八王子4丁目4番5号所在の告訴人所有の約156平方メートルの空き地上に、無断で約120平方メートルのアルミパネル製車庫1棟を建築し、もって、告訴人所有の土地約156平方メートルを侵奪したものである。
外周に塀を設置した場合の告訴事実記載例です。
告訴事実
刑法第235条の2 不動産侵奪
被告訴人は、令和5年3月3日頃、埼玉県草加市南草加町4番34号所在の告訴人所有の土地約120平方メートルの土地外周に、無断でブロック塀と鍵付きアルミ製門扉を建築して他人の出入りをできなくさせ、もって、上記告訴人所有の土地約120平方メートルを侵奪したものである。
淺利 大輔
あさり だいすけ
行政書士淺利法務事務所 代表
私は、2024年6月までの32年間、警視庁警察官として勤務し、そのうち25年間を刑事として告訴・告発事件の捜査に携わってきました。
中でも、告訴・告発を中心に扱う知能犯捜査の経験が最も長く、数多くの事件で、実際に告訴状・告発状を受理し、捜査を進めてきました。
刑事部捜査第二課在籍時には、警視庁本庁舎(霞が関)の聴訴室において、告訴状を持参される弁護士の先生方と日々向き合い、
「事件として受理すべきか」「問題点は何か」
その現場の判断基準を、実務の中で徹底的に学び、鍛えられてきました。
だからこそ私は、警察が何を重視し、どこを見て告訴状を判断するのかを、初期段階から具体的に想定しながら作成することができます。
告訴・告発事件については、刑事の中でも専門性を持って取り組んできた分野であり、強い自負があります。
現在は、千葉県犯罪被害者支援センター会員として、
「費用面で弁護士への依頼をためらっている方」
「警察に何度も相談したが、前に進めずにいる方」
そうした犯罪被害者の力になりたいとの思いから、行政書士として告訴状・告発状の作成支援を行っています。
実際に、
「告訴、受理されました。淺利さんにお願いして本当に良かったです」
というご連絡をいただく瞬間が、何よりの喜びであり、この仕事を選んで良かったと心から思う瞬間です。
警察の内側を知る行政書士として、
“受理される可能性を高める告訴状・告発状”を、本気でサポートします。


